スラムの片隅から世界を、、【YUMEKAKE/JOHN's diary】

国際協力活動のなかでのマジメな話からゆる~い話まで/海外から日本から

「行き場も希望も失いつつある人々が夢見るものは」 ~今、ここフィリピンでは、新型コロナウィルスの社会への浸食により、何もかもがうまくいっていないのかもしれません。それでも人々は、耐え忍び、強く生きています、、

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” あれ?もうこんなに観客入れてるの?
何?野球?サッカー?
あ。外国だね。
いつもフィリピンのこと書いてるからやっぱフィリピン?
あれ?でもロックダウンがどうこうっていつも騒いでない?
ん? ”

と、思うかもしれません。
が、これはもちろん、スポーツイベントの観客とかではありません。
よく見てみて下さい。
スタジアムの観客席の人々はみんな、大荷物です。
寝転んでる人もたくさんいます。

ここは、人々の、ある意味、新型コロナウィルスという社会現象によって生じた、悲惨な避難所です。

フィリピンという国の、ひとつの大きな産業は「出稼ぎ」です。
多くの方が、海外で働き、国の家族へ送金でしています。
日本のイメージでは、水商売や、あと最近では介護とかでしょうか。
しかし、例えば、中東(ドバイやカタールサウジアラビア等)では、例えば、メイドさんとしての出稼ぎが多くあります。
というか、日本ではメイドというシステムがほとんどないのでピンとこないかもしれませんが、例えば自分の知り合いは香港とかでも、住み込みのメイドをしています。

あ。メイドというと、日本ではメイドカフェですか?(^^;)
それは置いといて下さい(;・∀・)

まあようするに家政婦さんなのですが、もちろんそれだけでなく、様々な職業で、世界各国にフィリピン人は出稼ぎに行っています。
国として推奨し、外貨獲得のために力を入れていることで、
その養成のための専門学校もたくさんあるくらいです。

あと、コロナ初期に話題になったクルーズ船でもフィリピン人はいっぱい働いています。
その結果、フィリピン沖には、たくさんのフィリピン人スタッフを乗せたままのクルーズ船が、数多く停泊しています。

そして、世界では今、新型コロナウィルスが蔓延しています。
フィリピン人が出稼ぎに行っている地域ももちろんコロナで大きな被害を受け、メイドを雇っている富裕層にも影響があり、休業によって仕事がストップし、賃金が払えなくなった雇い主が、住み込みのメイドを追い出し、路頭に迷わしたり、ということもあります。
また、経済停滞のしわ寄せは、やはり、外国人労働者に厳しく降りかかり、突然解雇されたり、多くの方が、異国で職を失いました。

日本でもそうですよね?
仕事がなくなった外国人労働者技能実習生が、仕方ないからたくさん祖国へ帰りました。
で、日本では、今、人手不足に陥っているという、わけのわからない悪循環が起きています。

そのようなフィリピン人の出稼ぎ労働者をOFW(Overseas Filipino Worker)と言います。
コロナ渦により、出稼ぎができなくなり、たくさんのOFWが帰国しました。
しかし、とりあえずマニラ(首都)へ帰り付けても、その先(多くのOFWは地方出身者です)へ行くことができません。
ロックダウンで交通網も影響受けていますし、仕事がなく帰ってきてお金もありません。
結局、どうにもならず、人々はホームレス状態になっていました。
そういう人々が街に増えていき、さすがにマズいと思ったのか、政府が待機所を設けました。
それがこのスタジアムです。
路上生活よりはマシだろ?ということでしょうか。
そして人々は、ここで、確実な当てもなく、政府の支援で地方への移送を待ちます。

とりあえずスタジアムの観客席で生活、というだけでも、日本からみたら、酷い話です。
そして、当たり前のように、ソーシャルディスタンスも何もありません。
グラウンドには検疫所があるのですが、これでは、観客席でクラスターを作って、グラウンドで検疫して、収容する、という作業をしているだけです。

これが、今、起きている現実です。

おそらく、日本から仕方なく帰国した技能実習生だって、ここにいるかもしれません。

世界最長のロックダウンが続くこの国では、未だにこのような混乱が続いています。

そして、感染状況が収まらない地域では、ロックダウンが厳しくなり、封鎖され、警察や軍が各戸を訪問して、感染者をあぶり出すという作業が始まりました。

家に、ライフル持った迷彩服の軍人がどかどかやってきて、同行する検査官が強制的に住民の検査をします。
検査は仕方ないにしろ、その光景は、とても恐ろしいものでしょう。

あへてネガティブな言葉を使うなら、それはまるで、

「コロナ狩り」

です。

新型コロナウィルスの猛威は、ここフィリピンでは未だ収まっていません。

それは、もうすでに、社会を、人々の心をもむしばんでいます。

辛く不安な日々が続きます。

人々は、この国は、

いったいどこまで耐え続けることができるのでしょうか?

そして、この悲惨な状況から、またこの国が生き返ることができるのは、いつになるのでしょうか?

そして、今、

スタジアムの観客席で日々を過ごし、
行き場も、希望も失いつつある、この人々は、


いったい何を夢見て、何を信じ、日々を送っているのでしょう。

目に浮かぶのは、故郷で待つ、子どもや家族の笑顔でしょうか。

皆が一日も早く、あたたかい我が家に帰れる日を、心から願ってやみません、、、

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JOHNです。よろしくお願いします。
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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。)
あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。

このブログでは、国際協力活動を通しての視点で、海外また国内の、様々な問題や出来事、スラムや難民キャンプの人々の生活、NGOの活動の様子等を、時に真面目に、深く、時にゆるく、書いていきたいと思います。 そして少しでも、皆さまに、世界の様々な現実を知ってもらえるきっかけを届けたいと思っています。

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