コロナ渦を経て、いつのまにか、フィリピンの新学年の始まりは8月になりました。
日本でもコロナで休校して、その分、夏休みの短縮で調整していたりしたように、ここフィリピンでも、休校によって、学校の授業日程がずれてしまいました。が、休校期間が日本よりもだいぶ長かったこともあり、結局そのズレがあまり修正されないままになりました。
本来(コロナ前)は新学年は6月開始だったのですが、今年は8月に。たぶんなし崩し的にこのままになるんだろう、な気がします。
ところでフィリピンの場合、休校からの授業の再開、と言っても、教室での対面授業が再開されたわけではなく、家庭学習によるモジュラークラスがずっと実施されてきました。
休校期間を合わせて今までの2年半、、、教室に子どもたちの元気な声が響き渡ることはありませんでした。
しかし、いよいよ先週(8/22)より、学校における対面授業が再開されました。
もちろんそれは、喜ばしいことだと思います。
が、学校が始まれば始まったでまた、新たに問題が浮上するのです。
感染拡大とかはもういいだろう、というか、フィリピンの人たちの意識の中では、コロナはもう終わっています。
政府の規制はあるので、町に出る時とか、集会とか、もちろん学校に行く時も、マスクはしなきゃダメですが、ふだん、その辺をフラフラするぶんには、ほとんど誰もマスクはしていません。
例えば自分がNGOでいつも居るスラム内では、まったくというほど誰もマスクをしていない状況です。
規則を守るとか感染防止とかそういう以前に、みんなもう、コロナを意識してないからです。
というわけで、話を戻して、学校が始まることで生じる新たな問題は何か、というと、、、
「お金がなくて学校に行けない」という、しょうじき、もはやわけのわからないコロナよりも、もっと切実で現実的な問題です。
今までは(コロナ渦の2年半)、学校での授業がなく、子どもたちは、学校から渡される(毎週、親とかが取りに行く)プリントを、家でやっていればよかったのです。
制服もお弁当もいらないし、通学もしなくていい。文房具だって、兄弟や近所で共有できる。親の仕事の手伝いやアルバイト、家事の手伝いもできます。
ようするに、お金がなくても、書類上は学校の生徒でいられたのです。
でも、実際に学校が始まるとそうも言ってらません。
学校が始まることがアナウンスされ、具体的に準備が進むと、
子どもたちの喜びの声と共に、多くの子どもたちから、「でも、私は学校をやめなきゃならないかもしれない。制服も文房具も買えないし、家の手伝いもあるし、、」という悩みを訴えられました。
フィリピンセブには小学校でも制服があるのですが、ある子は、2年前の制服はもう小さくなって着れないけど、新しく買うお金もない、と哀しんでいます。
コロナで仕事を失い、昨年末の台風で家を壊され、スラムの生活は、コロナ前よりも酷くなっています。
通常の対面授業が始まってしまえば、その準備ができず、もう学校を続けられなくなります。
そんな状態の子どもたちがたくさんいるのです。
少しでもなんとかしてあげたい、、
そう思い、NGOでは、クラウドファンディングの実施や支援者を募り、学校再開に向けて、貧困により学校を続けられなくなりそうな状態の子どもたちのために、文房具の支援イベントを行いました。
7月末~8月初めにかけて。
また、制服の仕立て直しもスタッフが無償で行っています。
国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」のスタッフ、支援者様、現地法人Seven Notes Inc.様、クラウドファンディングや募金に協力して頂いた方々、現地ボランティアや地域の人々、友人、また、教会やバランガイスタッフ等行政の方々、本当にたくさんの方々のご支援・ご協力により、たくさんの子どもたちに文房具を配給することができました。
子どもたちの未来への希望と夢をつないでいくために、、、
本当にありがとうございました。
次回から、その支援イベントのいくつかの様子を紹介・報告したいと思います。
yumekake.comyumekake.comyumekake.com