スラムの片隅から世界を、、【YUMEKAKE/JOHN's diary】

国際協力活動のなかでのマジメな話からゆる~い話まで/海外から日本から

【「踊る囚人」~ヒントは日常に転がってる】、、フィリピンの刑務所とその文化(その2)   (#フィリピンセブの刑務所の更生プログラム囚人ダンス踊る囚人 #貧困と犯罪の連鎖 #机上の空論よりも日常生活に寄り添うことが大事 #ダンスは僕らの共通言語 #フィリピン人は歌と踊りが大好き #刑務所出所後の再犯率 #フィリピンセブ #SDGs)

前回、今話題になってる、フィリピンの収容所から日本へ犯罪を指示してたというルフィやらなんやらについて書いた。なんならフィリピンで極刑にしてもらって、特別扱いなしで現地の過酷な環境の刑務所に放り込んじまえばいい、と。まあフィリピンには迷惑な話だけど😅というか、ろくでもない日本人が迷惑かけちゃってほんと申し訳ない😨yumekake.comところで、刑務所といえば、NGOの事務所があるセブで有名な囚人更生プログラムが行われている。それがTOPの写真。この活動自体は、コロナで休止していたので、現在再開されたかどうかはわからないが、ダンスの練習はずっと続けてる。

「踊る囚人」

コロナ前のレポートだが、それは、毎月最終土曜日に行われる、セブの刑務所CPDRC(Cebu Provincial Detention and Rehabilitation Center)での「囚人ダンス」である。ギラギラと照り付ける南国の太陽が注ぐ、四方を金網で囲われた運動場。気温は30度以上。1000人近い囚人たちが、汗を拭いながら並んでいる。

「踊る囚人」。ネット上でそう呼ばれる受刑者たちが収容されているフィリピン・セブ島の刑務所は、市街地から車で20分、山あいの道を進んだ山腹にある。美しい海とリゾート、そして歓楽街、世界的に有名な観光地「セブ」の雰囲気はここにはない。

ネットで有名になった刑務所内で囚人が踊る、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」や「スリラー」。オレンジ色の囚人服の受刑者たちが華麗なステップを踏む。幼いころから音楽とダンスが身近にあるフィリピン人は、リズム感もその身に宿り、もちろんそれは囚人をいえども例外ではない。

ただの「みんなでダンスを楽しもう」会ではなく、練習により統一された、ちゃんと魅せるダンスになってる。

公演後には、見学客たちがスタンドから運動場に降り、受刑者と自由に記念撮影をする。笑顔でポーズを決める姿を見ていると、殺人や強姦、麻薬などの重い罪で服役中の人たちとは思えない。

集団の中央に、トップダンサーの証しである黒いTシャツ姿の数人のうちの一人に聞いた。彼が刑務所に入ったのは11年前(その時点で)、18歳だった。罪状は「殺人」。

刑務所は退屈だ。日々変わらぬ「自らの意思ではない」ルーティンの繰り返し。その退屈さがある意味で罰なのかもしれない。フィリピンの国民性なのだろう、刑務所もやはりゆるく(だから今回のルフィのような犯罪がはびこる)、朝から晩まで厳しい懲役労働という感じではなく、例えば、起床してちょいジョギングしたら、朝食を食べてダラダラ。昼食後も特にすることはなく、たまに軽作業が入ることもあるが、余暇と言えばバスケットボールぐらい。夕食を食べてまた寝るだけの日々。

しかし、そんな生活が、ある日一変した。更生プログラムの一環としてダンスが導入されたからだ。多くのフィリピン人同様、彼も踊るのは元々好きだった。昔、ダンスコンテストに出たこともある。全体練習は週に3日、各2時間と決まっているが、それ以外でも暇があれば自主練習をする。その成果を観光客に披露する。だから張り合いもある。

彼は言う。「踊るのは楽しいよ。観光客が見に来てくれることを誇りに思う」と。

2005年にダンス導入を決めたのは当時の所長だった。絶えず起こる受刑者同士のもめごとやケンカを減らしたいと頭をひねった。何かストレスを発散させられること。歌や楽器演奏も検討したが、健康的でお金がかからず、大勢が一度に取り組めるダンスを採用した。なんといってもほとんどみんながダンス大好きな国民性だ。

フィリピンは貧富の格差が激しい。そして犯罪者の多くは貧困層だ。それは要するに、犯罪の原因が貧困の中にある、という状態をも意味している。刑務所にここにいる人間の8割が教育をまともに受けていない。学校に行ったこともない者も多くいる。集団行動や規律が分からない相手に、「踊りを教えるのは一苦労だった」と所長は言う。

だが、変化が生まれた。皆で顔を合わせる機会が増え、一緒に練習し連帯感が生まれ、何よりも、抑圧された刑務所の生活の中で今まで見られなかった、受刑者の本来のやわらない表情や、また、物事に真剣に取り組む眼差しを見られるようになった。会話したことがなかった者同士で食事をするようになったり、ひとつの目標のために努力することで、規則の大切さを口にするようになったりもした。ケンカも次第に減った。

所長が言っていた。「ダンスは彼らの共通言語になったのだと思う」と。強制ではないが、受刑者1600人のうち6割程度が参加している。ダンスが得意な者たちは他の受刑者の指導役にもなる。いつのまにかそれがダンスだけでなく、日常生活面での規律にも影響していく。話を聞いたトップダンサーの彼は言う。「周囲が僕を尊重してくれる。居場所が出来た気分だ」と笑う。そして、「一番大きな変化は、家族が面会に来るようになったことだ」と。

世界中から動画にアクセスが集まり、再生回数が6000万回にも及ぶ動画もある。コロナ前は、年間数千人の観光客が訪れるまでになった。それに伴い、周囲の人々の彼らを見る目も変わった。最初は、刑務所内のケンカを減らすのが目的だったのに、思わぬ副産物が生まれた。ダンスは彼らに社会との接点と自信を取り戻させたのだろう。それが更生の足がかりに繋がればいいと思う。

ところで、、、

なら、日本でもやれば?でも日本だとダンスって特別な催し物で、才能や興味のある一部の人のやるものって感じだし。で、日本だったらなんだろ?カラオケ?合唱?野球やサッカー?(たぶんもうやってる、、)でもなんか違う。フィリピンに行けばわかる。ダンスや歌は生活の中に根付いていて、わざわざやろうとしたり、その道を選ばなくても、子どもの頃から身の回りに当たり前にあって、べつにTVや舞台の上じゃなくても、路上カラオケでもめっちゃうまい名もないフィリピン一般人がそこら中にいる。ダンスもそう。それはもうフィリピン人のDNAのようなもの?刑務所という抑圧された環境の中で当たり前にそれを開放してあげたら、バズったというだけ。そして、いちばん大切なことは、「強制されたわけでなく、自らの意思で参加や練習をしている」ということだ。それはきっと彼らの出所後の人生において、大きな意味を持つと信じたい。

所長が更生プログラムにダンスを採用したきっかけは「多くの囚人たちが掃除の時間にふざけて踊ってる」のを、よく目にしたからだという。

それは、掃除中なら注意を受けることでも、正式なプログラムなら、逆に奨励される。

そう、難しい犯罪心理学や講義や論文の中ではなく、日々の生活の中からたくさんの大切なものが見つかるんだ。

ヒントは日常に転がってる。

。。。

と、いろいろきれいごとを書いてきたが、最後にもうひとつの現実を。

このように評価された、フィリピンならではの刑務所の更生プログラムもあるが、今回のルフィの犯罪のような、金次第で待遇が買える、というような刑務所の腐敗もはびこっている。

また、残念ながら、囚人ダンスで有名になったセブの刑務所についても、例えば、出所者の再犯率は特に下がってはいないという、、、

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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。) あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。
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