

良い意味でも悪い意味でも、いろいろ話題になった2020東京オリンピック・パラリンピックがこないだ終わった。
世間はもう次の話題(総裁選や衆議院選挙)に移ってるけど、それなりに楽しめたオリンピックを少し振り返ってみる。というか、印象に残ったこと。
残念過ぎた開会式については前に書いたんで、とりあえず置いといて。
yumekake.com
コロナについては、べつに「オリンピックをやったから」「海外から選手がいっぱい来たから」感染者数が増えたってわけではないだろう。デルタ株のまん延により、世界中で感染爆発してる。日本も同じ。ただそれだけ。
オリンピックで浮かれて騒いだり、競技場周辺や路上応援で密になって感染した、とかは知らん。そんなんオリンピックのせいじゃなくて、本人がバカなだけ。
。。。
で、実力通りもしくはそれ以上にがんばった日本サッカー(準決勝敗退)。それはそれでいいんだけど、なんと、決勝(ブラジルースペイン)の地上波放映がなかった。
有り得ない😕
ということは、陸上とかも日本人が決勝出てなければ、ぜんぜん見られなかったのか?
。。。
スケートボードの女子ストリートで12歳の西矢選手が優勝した。楽しい競技だった。
で、話は変わって、フィリピン代表のマージリン・ディダル選手
セブのスラムの貧困家庭で育ったディダル選手。
母親の路上屋台の手伝いでよく行ってた公園で、スノボー仲間と知り合い、大会には彼らに借りたデッキで出場した。お金がなくて自分のが買えなかったから。
大会で初めて賞金を得た時、彼女が思ったのは、「これで家族ためにお米が買える」だった。
そんな逆境の中掴んだオリンピックの切符。
ラストでミスっちゃったけど、それでも笑顔いっぱいで、「I'm ok アリガトー!」。ダンスも。
ライバル選手の良いパフォーマンスを自分のことのように喜び、そして、ミスった選手をハグして励ます姿も美しかった。
銀メダルのブラジルのレアル選手(この子もまだ13歳)が最後の演技で失敗して、しょぼくれて帰ってきたのを、迎えてハグしたのは、コーチとかじゃなく、ディダル選手だった。
彼女の地元セブはNGOの支援地域なので、それこそ貧困層のスラムの中高生に聞いてみた。
「ディダル選手知ってる?」
あんまし反応はなかった😅
スケボーに興味持つのは中高生かと思ったんだけど、それ以前に、TVでもネットでも報道的なものに興味がないから、耳に入らないのだろーか(まあ、日本も同じか)。でもって、多くのフィリピンの中高生は芸能とバスケのニュースにしか興味がない😅
でも、もうちょい大人(20代前後)はけっこう知ってた。(ただ、それ以上のもーっと大人はあまり知らない。これってやっぱりスノボーだからかな?あとは結局メダル取ったわけではないし。)やっぱりTVで取り上げられたりしてたらしい。
「今までスノボーは不良少年少女がやるものって思われてて、路上や空き地でやってると追い出されたり、夜とかに公園で滑ってるだけで警官がやってきたりした。たけど、彼女の活躍で社会の見る目が変わってきた。今ではみんなオープンに楽しめてる。そういう意味でも彼女の影響力は大きい。」と、現地の専門学校生が言ってた。
NGOの支援を受けて学校に通ってる女子高生が、ディダル選手のことを知ってた。
TVで見た、とかではなく、文字通り「知ってる」だ。
「彼氏がボーダーなの」
「前に公園で会ったことあるって言ってたよ」
彼氏がわざわざそう伝えたってことは、もうある程度有名になってからなのだろう。
そして、有名になっても、やっぱりスラムの片隅の公園で練習していたのだろう。
うん、素敵な子だよね✨
彼女は賞金で、家族のために(スラムに)大きな家を建てた。「家族のために」、、それがフィリピン。
今、歯の矯正中。例えば日本とかでは少し恥ずかしがったりする歯列矯正だけど、フィリピンではみんな自慢する。お金があることの象徴みたいな。そして、少しお金がたまると歯の矯正をしたがる。ディダル選手も、賞金を得て、やっぱり歯の矯正。うん、これもフィリピンらしいね!
ちなみに彼女には、ふつうに長年付き合ってる「彼女」がいる(ふつうに公言してる)。それもまたフィリピン!🙂
日本とかだったら「勇気をもってLGBTを公表」だとか「差別に立ち向かう」だとか、それこそ今回のオリンピックのテーマのひとつの「多様性」だとか、いちいち難しくして、おおごとにしちゃうけど、フィリピンでは、同性愛(男子も女子も)なんて当たり前。そこら中にいるし、もちろん隠してもいない。
そんな世界の異文化(?)を感じ考えるのもオリンピックじゃないかい?
。。。
柔道女子63キロ級ドイツ代表マルティナ・トライドス選手。コーチに平手打ちを受けたりする映像がSNS上で拡散され問題視された。
しかし彼女は言った。問題視された行為は試合前の儀式だと。
動画内では、トライドス選手がコーチから柔道着をつかまれて乱暴に揺すぶられたり、両頬をたたかれたりしている様子が確認され、これを見た人々からは困惑や不安の声が上がっていた。 しかし、本人は自身のインスタグラムに問題の動画を投稿し、「あれは試合前に自分で選んだ儀式! コーチは私が気合を入れるために頼んだことをやっているだけ」と説明。
2回戦で敗れた彼女は、インスタに「(ビンタを)もっと強くやってもらわないといけなかったみたい」とし、「きょうは違うことで話題になれたらよかったわ」とつづった。
そう、彼女に向けられた、コーチの暴力的行為への危惧は、彼女にとっては、ただの「雑音」でしかなかった。
暴力的な指導に反対?気合いなんて時代遅れ?
それはそれで、ただのひとつの考え。
時代はそっちでも、べつにそれが正しいわけじゃない。
前時代的な気合いの入れ方の何が悪い?(本人も納得してる)
どっちも受け入れるのが、それこそ、「多様性」。
でしょ?
。。。
あ。写真は、ミスった後、それでも笑顔のディダル選手と、母親(写真は本人じゃないけど😅)がやってた屋台。Kwek Kwek(クェククェク)っていうフィリピンのストリートフード。まあ、いわゆる、うずら卵フライ(天ぷらだけど)みたいなもの。屋台だとひと串30円くらい。
同じうずら卵の揚げ物料理でも、文化によって調理方法も見た目もだいぶ違う。ソースはピリ辛。おいしーよ😍