YUMEKAKE/JOHN's diary

国際協力活動のなかでのマジメな話からゆる~い話まで/海外から日本から

【壊れてしまった彼女の心に寄り添うために】 ~これもまたコロナと貧困が作り出した悲しい現実なのか、、、   (#レイプと中絶とカトリック #精神障害には周りの支えが必要 #障害者を支援するのではなく世間から隠してしまう)

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「ねえ、彼女のこと知ってるの?」

NGOの現地事務所のあるフィリピン・セブの友人からメールが来た。

友人(マリアン・仮)が言うには、その「彼女」(メアリー・同仮)は、高校の同級生で、今は、双極性障害に苦しんでおり、ずっと連絡もとれていないのだという。

どちらも、自分と何人かの共通のfacebook友達がいて、その繋がりから、facebookで知り合い、マリアンとはけっこう頻繁にチャットをしたりしてる。また、メアリーとは、前に、一度、短いチャットをした。

それだけの、まあいわゆるSNS上の知り合いなのだが、少しでもチャットをしたことがあることもあり、誕生日に、彼女のタイムラインにバースデイメッセージを書き込んだ。

それを見て、マリアンが自分に聞いてきた。「メアリーと友達?」って。

「前に少しチャットしただけだから、友達っていうほどでもないかな」「どうして?」
と返すと、マリアンから動画が送られてきた。

公共の市場で、両腕に刺青を入れた、半裸の女性が奇声をあげ、周囲の人や野良犬に絡んでる。そして、しばらくして周りの人に取り押さえられて暴れ、ついには気を失ってぐったりしている、、、

それがメアリーだという。

その動画は、担任の先生がたまたま市場で見かけたメアリーの様子を撮って、卒業後も残っていたクラスメイトのグループチャットにアップした。「このあいだこんなのを見たんだけど、誰か、メアリーが最近どうしてるか知ってるかい?」と心配して。

そして、これが彼女の簡単なストーリーだ。

。。。

高校3年生の時、マリアンとメアリーは、クラスの役員を一緒にしていて、とても仲良しだった。
動画にあるような奇声を発して暴れる彼女は、その時からは想像できず、高校の頃のメアリーは、とても大人しく、また、少しナイーブで考えすぎてしまう子であったものの、歌がとてもうまく、facebookにカラオケをアップしてたりもした。

動画では彼女の腕にあった雑な刺青も、もちろんなかった。

2020年の春、みんなで卒業した。

メアリーのfacebookにも、クラスメイトと一緒の彼女のたくさんの笑顔がアップされてる。

しかし、世の中はコロナ渦、フィリピンはロックダウンの真っ最中だった。

家が貧しいメアリーは、大学等の上の学校に進学はできなかった。また、ロックダウンの中、仕事を見つけるのも困難だった。

そんな中、そこにどういう経緯があったのかはわからないが、コロナ渦で殺伐とした世の中、荒んだ人の心がそうしたのだろうか、、、メアリーは路上でレイプされ、赤ちゃんを身ごもった。

しかし彼女はくじけなかった。

また、敬虔なカトリックである彼女や家族には、中絶という選択肢も考えられなかったのだろう。

まったく誰の子かわからないその子に希望をたくし、家族の支えもあって、無事、元気な男の子を出産した。

「私の夢と希望」

彼女のfacebookには、何枚もの幸せそうな、赤ちゃんとの写真があった。

本当に幸せそうな、彼女の笑顔が、、、。

しかし、それは、

数週後に、異なったキャプションと共に、思い出として、二人の写真がまたアップされていた。

「I miss you my baby, my happiness」

寂しいよ、私の赤ちゃん、私の幸せ、、、

そう、産まれて数週間後に子どもは天に召された。

たくさんの幸せな思い出と希望とともに、、、

貧困で生活は大変だけど、思うようにならない人生だけど、

産まれてきてくれたその子がいれば、そこに笑顔と幸せがあふれた。

でも、ほんの数週間で、すべてが壊れた。

そして、同時に、彼女自身の心も、

壊れた。

貧困、コロナ、ロックダウン、レイプ、出産、、、

赤ちゃんが亡くなったのは今年の2月。

市場での彼女の奇行の動画が送られてきたのも、そのすぐ後の2月だった。

。。。

壊れてしまった彼女と直接連絡をとってるクラスメイトはいないらしい。

マリアンは言う。

「メアリーのケアなんて誰もしてないわ。ただ家に閉じ込められてるだけ。」

彼女は家に閉じ込められて、ガリガリにやせ細り、時に狂気に陥り、家族に守られながら、いや、世間から隠されながら生きてるのだと。

障害を持った子どもを、何とか社会に適応させたり、治療しようと努力すのるではなく、世間から隠し、閉じ込めてしまうということは、ひと昔前の日本でもよくあったこと。
また、途上国の町に思ったより障害児が見当たらないのは、家族が家に閉じ込めてしまったり、障害のある赤ちゃんが産まれてくると、そういう施設の前に捨て置いてしまったりする。お金のない親が障害を持った子どもを育てる能力も知識も、病院に連れていくこともできないから。NGOで提携してる障害児施設でも、何人かは、門の前に置いて行かれた子どもだという。

話を戻そう。

家に閉じ込められて、壊れた心と辛い思い出と現実に苦しみながら日々を送るメアリー。

そんな彼女は自分の携帯は持っていないが、状態が落ち着いている時とか、時々、姉妹の携帯を借りて、ネットを見たりもするのだろう。

たぶん、そういう時に、自分とfacebookで友達になった。

それが今年の5月。

彼女から「Hi」とメッセージが来て、少しチャットして、「ねえ、今、退屈だから、写真送って」と言われて、自分の写真を送った。ふつうに仲良くなろうと思って、相手にも写真送ってと言うと、彼女も送ってくれた。

おそらく高校時代の、、、

笑顔の彼女だった。

その時だけ、ほんの少ししか話してないし、また、このあいだ投稿した誕生日のメッセージにも反応はない。

。。。

荒んだ世の中にその運命をもてあそばれたメアリー。

もちろん、同じような話は、フィリピンや途上国だけでなく、それこそ日本にだってあると思う。

それは、いずれの場所でも、場合でも、大きな社会問題だ。

そして、

彼女の心を壊してしまったのはいったい何なのだろう。

フィリピンの治安、宗教、新型コロナウィルス、ロックダウン、荒廃した世の中と人々の心、貧困、医療体制、、、

はっきりとした何かはわからないし、逆に、そのすべてが、要因なのだろう。

マリアンと話した。

「彼女に今必要なことは、家族や親しい友達の思いやりや、何気ないおしゃべりなんだと思うよ。」

マリアンは言う。

「私もそう思う。でも、メッセージを送っても、返事が来ないの。既読にはなってるのよ。」
「(障害で)きっともう私のこと忘れちゃったんだと思う。」

「でも、高校の時の私たち、とても仲良しだったの。それに、彼女はいつも笑顔で優しくて、きれいで、とても魅力的な子だったわ、、、」

うん、、、

今のこんな悲しく重い現実に、ちょっとチャットしただけの自分が、彼女のために、何かしてあげられるとか、そういうわけではないだろう。

わかってる。

でも、あの日少しだけ、確かに、「ふつう」に会話した。

あの日だけだけど。

何気ない会話の積み重ねが、彼女の心を癒して、何かが変わるかもしれない。

あの時は、彼女のそういう事情を知らなかったし、深夜(そういえば、確か深夜の2時とかだった。家族が寝てから携帯を勝手に使ったのかな?だからそれ以来また禁止されて、ログインしてないのかな、、、)だったから、こっちも眠くて、すぐに会話が終わっちゃったけど、もっといろいろ話せばよかったな、って、今、後悔してる。

そして、昨日、

それ以来途絶えた彼女とのメッセンジャー(チャット)に、メッセージを送ってみた。

「Hello😊」

と。

何事もなかったように、軽い感じで。

今日、まだ既読にはなってない。

でも、いつか、返事をくれるといいな。

嘘でも妄想でも思い出でも何でもいい。

楽しい話をしよう。

いくつかの話をしながら、もしも自分のことを信頼してくれたら、彼女のストーリーを話してくれたら、ちゃんとぜんぶ受け止めるよ。

そして、

いつか、、、マリアンと三人で、会えたらいいね、、、




。。。

彼女のfacebookのトップ画面は、今でも、笑顔で赤ちゃんを抱いた写真のまま。

でも、そこにはこう書いてある。

I miss you my angel

...


 

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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。) あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。

このブログでは、国際協力活動を通しての視点で、海外また国内の、様々な問題や出来事、スラムや難民キャンプの人々の生活、NGOの活動の様子等を、時に真面目に、深く、時にゆるく、書いていきたいと思います。 そして少しでも、皆さまに、世界の様々な現実を知ってもらえるきっかけを届けたいと思っています。

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