スラムの片隅から世界を、、【YUMEKAKE/JOHN's diary】

国際協力活動のなかでのマジメな話からゆる~い話まで/海外から日本から

【それぞれの日常。それはいつもの朝であり、でも、違う朝だった】 ~いとこがドラッグで逮捕された。そしてまたいつもの一日が始まった、、 (#フィリピンドゥテルテ大統領の麻薬対策 #麻薬関係者は射殺してもいい #フィリピンの劣悪な環境の刑務所 #セブ刑務所のダンスによる更生プログラム)

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「Morning」

と、朝、フィリピンからメールが届く。

国際協力NGOの現地事務所があるフィリピンには、たくさんの知り合いがいるので、facebookメッセンジャーから、けっこうな頻度で挨拶メールがくる。

自分はふつうの日本人で、学校の授業で英語を習ってた(いちおうね😳)わけだが、その感覚でいくと、「おはよう」は「Good morning 」一択だ😅

「Morning」とくると「は?いきなり”朝”と言われても」と、初めは違和感があった。

だって、日本人同士で、朝に、「朝!」っていきなり言われてもわけわかんないしょ?

まあ、朝には違いないんだけど。

で、そんな話は置いといて、特に気合の入ってない「おはよう」はMorningなのか、その人の性格なのか、短縮した言葉の方(「オッハー」みたいな?)がオシャレなのか、よくわからんが、まあふつうに、「おはよう」という意味で「Morning」という挨拶がくる。

たいていはGood のあるなしに大きな意味はない。

ただ、たまに意図的に「Good」を付けてこない時がある。

”「おはよう」、、、でも、「Good」じゃないよ。”

な時が。

この日はそうだった。。

「Morning」と挨拶がきて、

特に何も考えずに「Good morning 」と返した。

そしたら、「でもわたしは ”Good” じゃないんだ」と。

高校一年生の彼女は言った。

「どうして?」と聞くと、

「いとこが今朝、捕まったの」

「え、、どうして?」

「ドラッグで、、」

なんてことはない田舎の女子高生。

いとこはおばあちゃん家の裏で大麻を栽培し、売っていたということだ。

彼女もそれは知っていた。

でも、あまり深く考えずにいた。

いきなり今朝、警官がおばあちゃんの家に来て、いとこが捕まった。

タレコミなのか裏切りなのかわかんないけど、驚いたおばあちゃんは胸を押さえて苦しんだ。

もともと心臓の悪いおばあちゃんは心臓麻痺になりかけていた。

でも少しの発作で、なんとか無事だった。

かけつけた彼女は、警官に文句を言った。「どうしてくれるのよ!おばあちゃんは心臓が悪いのよ!少しは考えてよ!」と。

そして哀しんでいた。

家族に待ち受ける暗い運命を。

「麻薬に関わった者は射殺してもいい」と言う大統領の国だ。

今、刑務所にいる彼女のいとこは、その刑罰等、どうなるのだろう?

そして、劣悪な環境で有名なフィリピンの刑務所(写真)。お金があれば個室(独房ではない)が使えたり携帯もOKだったりのこの国の刑務所だが、貧困家庭な彼は、そんな優遇は受けられない。

フィリピンの刑務所は、その麻薬対策の厳罰化により、一段と過密状態になってる。射殺が嫌で自主してきた者も多い。いくらくっつくのが好きなフィリピン人でも、さすがにこれは、って光景だ。

もちろん今回のコロナでは、刑務所クラスターも発生した。

そういえば、セブの刑務所で更生プログラムとして行われ、有名になった(観光化もされた)囚人ダンスはどうなったんだろう?さすがに今はやってないのかな?少なくとも前みたく一般公開はしてないよね(観光客もいないし)。

で、話を戻して、

ドラッグの栽培・使用で捕まった、彼女のいとこだけど、

彼女が言うには、家族は関わってはいないということだ。

ただいとこが仲間と密かに裏の土地で大麻を栽培していた。

なので、おそらく家族は知らなかった、という形になり、大丈夫だとは思うが、ドラッグへの対応が厳しいフィリピンでは、いとこは少なくとも数年、外(シャバ)には出られないだろう。

フィリピン危険薬物委員会の調査では、人口の1.7%にもなる数が、麻薬(フィリピンでは覚せい剤・シャブが中心)を使用したことがあるという。

確かにとてつもない数字だ。厳しい取締りが必要だろうし、国民もそれを支持してるし、事実、現ドゥテルテ大統領の下、治安も改善したという。

ただ、警官による射殺が許される、ということは、もちろん警察によりある程度調査や裏は取ったとしても、ちゃんとした事情聴取や裁判もなく、えん罪により撃たれてしまう、という可能性があるということだ。例えば、、、通報(報奨金が出る)⇒わけわからんくて(実は無実で)逮捕に抵抗⇒警官による射殺、なんていうこともしばしば起こっているようだ。

が、

射殺も辞さないというそのやり方に対して、賛否両論もあろうが、少なくとも現地の事情を知らない外国人が無責任にうだうだ言う問題ではないだろう。

そして現在のコロナ渦において、精神的不安(コロナ感染よりも、失業による生活への恐れ)からドラッグに手を出す者が増えていると言われている。

ところで。

日本(だけじゃないが)は大麻マリファナ)使用なんかすると大問題になる。

ニューヨーク州アメリカ)では、こないだ大麻が合法化された。医療用ではなく嗜好(しこう)用での。

コロナで疲弊した経済対策だという。

そしてフィリピンでは射殺OKだ。

いろんな考え方があり、それぞれの状況がある。

少なくともフィリピンでは、「知り合いがコロナになった」よりも、「親戚が麻薬で捕まった」の方が身近な話題だったりする。

それはもちろん、「いつもと同じ朝」ではないが、決して「特別な」出来事ではない。

この国では、ある意味、それもひとつの日常なのかもしれない。

何気ない「おはよう」のあいさつで、いろいろ考えさせられた、そんな朝だった。。


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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。) あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。


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