

別にこれは特定の国の話ではなく、どこの国も同じ(程度の差はある)だと思うのだが、とりあえず自分はNGOでフィリピンと関係が深いので、フィリピンの状況から、思ったことを書こうと思う。
昨日(3/16)、フィリピン政府は、外国人の入国を20日から一か月間(4/19まで)、禁止すると発表した。理由はもちろん新型コロナウィルス新規感染者の急激な増加と、また変異ウィルスの感染者が増えているということだ。外国からの変異株の持ち込みを制限する狙いが大きいのだろう。
このように水際対策を再び強化する。
「ん?今までだってフィリピンとか(海外)行けなかったじゃん?」
という話ではなく、今回の制限は(以前の酷い頃に戻ったというか)、外国人の他、出稼ぎ以外の目的で出国したフィリピン人の帰国も禁止する。
というわけで、フィリピン人の帰国にさえ規制がかかるくらいなので、外国人は一切(たとえフィリピンに奥さんがいたり、ビジネスをやっていても)入国できないというわけだ。
あ。まあ、お金やコネで例外はできるだろうが(?)。あと、政府関係者等の9(e)ビザや医療従事者も入国は認められる。(ただ、一日あたりの入国者数は1500人に制限される。)
フィリピンの15日の新規感染者は5404人(ちなみに日本は昨日16日1134人。人口は日本が2000万人くらい多い。)明らかに急増している。近日の感染者増に際し、政府は、マニラ等、地域により、夜間外出禁止などの行動・移動制限等の取締りを強化している。まあ、一時期ほどではないが、また厳しいロックダウン規制が行われている。
新規感染者の急増の原因は、人々や自治体等の意識の緩みと、やはり変異株であろう。
ところで、最近また、欧米での東アジア人差別のニュースが入ってくるようになった。コロナ渦が思うように収まらず、そしてその原因は発祥である東アジアにあるというわけだ。特にアメリカでは酷く(結局ずっと続いてる黒人差別といい、この国の意識には、もともと根深い人種差別の温床が宿っているのだろう)、抗議デモも行われている。
写真はパリなのだが、日本食レストランにペンキがぶちまけられたり落書きがされている。「コロナウィルス出て行け」と書いてある。
「ん?コロナが始まったのって日本じゃないよ。中国でしょ?」かもしれないが、自分がさっき「欧米」と言ってしまったように、例えはアメリカ人にとって、中国人も日本人も大差はない(見た目とかも)。同じ東アジアだ。
もうそういう問題じゃないと思うのだが(現状はどう見ても、アジアより欧米の方が危ないし)、人々の中に根付いた「コロナを流行らせたのはアジア人」という意識は、拭い去ることはできないのであろう。
そしてそれは残念ながらフィリピンでも同じ。
いや、少なくとも同じだった。
ちょうど一年前、コロナが世界中に爆発的に拡がり、フィリピンを含め、各国でロックダウンが行われ始めた頃、自分は、NGOの活動で、そのフィリピンに居た。
コロナ渦が人々の心を支配していくにつれて、パニックモードに陥った住民は、「日本人はコロナだ」とうちらを差別した。監視・軟禁され、苦情を訴えにいった役場の長(バランガイキャプテン)は、「じゃあ、すぐにこの町から出て行け」と言った。
「そもそも遊びや留学やビジネスじゃなく、現地を支援するためにここにいるのに、ずっと支援してきた地域なのに、なんてこったい😮」
と、コロナが人々の体だけでなく、心をもむしばんでいく様子に恐怖と哀しみを感じ、その影響で平気で差別をしてしまう、人間という生き物に対し落胆した。
結局、その時共に現地で活動してた日本人学生ボランティアを連れて、ロックダウン下のフィリピンから緊急脱出したのだが、そのおおよその顛末(てんまつ)はこちらを参照お願いします。
yumekake.com
ところで、変異株といえば、先日、日本で発見された新型コロナウィルス・フィリピン変異株。
しかし未だに、それを、フィリピン当局は、「フィリピン由来」のものだと、はっきりとは認めていない。
どこか外国から入ってきたもの、ということだろう。
もちろん真相はわからないのだが、なんというか、これもやはり「もうそういう問題じゃない」のだ。
とにもかくにもフィリピンで発見され・拡大している変異株なのだから、やはり責任を持って対処すべきだ。
だって、こないだのフィリピンからの日本人以外、この変異株はフィリピン国内でしか、今のところ確認されてないんだから。
ちなみに、そのフィリピン変異株の特徴のひとつは、イギリス変異株にも構成要素としてあるのだが、そのイギリス変異株について、先日の発表によると、致死率が従来型よりも55%強高いということだ。また、感染力も、最大70%高いとされる。
んで、これはフィリピンで差別扱いされたから思ってしまうネガティブな捉え方なのかもしれないが、でもって、水際対策はもちろん必要という前提の上で書くので、そこに結び付けてはほしくないのだが、、あくまでも人々の意識の話として、、、
結局今でもここフィリピン、いや多くの国では、
「コロナは海外からやってくる」という意識が強いような気がする。
「私たちのせいじゃない」
という意識だ。
フィリピンに関して言えば、これって、フィリピン人と関わってる人にはわかると思うんだけど、、「プライドが高く」「自分が大好き」「自らの非を認めず他者のせいにする」、そんな代表的なフィリピン人気質(もちろん全員とは言わないが)があって、
そしてそれが、国としての政府の方針、また国の現状や治安(日本、韓国、中国人等に対する治安の悪化)や国民の意識にも表れている。
また、加えて、同様に、「先のことはあまり考えない」、というやはりそんなフィリピン人の気質がそのまま国として、どこかちぐはぐな、行き当たりばったりのロックダウンの繰り返しという政策を続けたあげく、人々の意識は緩み、いつまでもウィルスは蔓延し、結局ロックダウンと経済停滞の悪循環から逃れられない、という現状を生んでしまっているのかもしれない。
(まあ、そんな「楽天的」なとこが、フィリピン人の良いとこでもあるんだけど😅)
いや、もちろんフィリピンだけじゃない。
コロナによって世界各国に様々なひずみが生じている。
そして、欧米における東アジア人差別は、今、大きな問題となろうとしている。
差別に関する嫌なニュースが連日流される。
ウィルスによって心をもむしばまれた人々は、いつしかその目の前の恐怖から逃避するために、他者のせいにしようとする。
フロイトが提唱した心理学用語でいう、いわゆる「置き換え」という心理学的防衛機制に近いだろうか。それとももっと単純な利己的な恨みやストレス?まあ、そのすべてであろう。恐怖と自己肯定を意識の中で混沌とさせ、人は壊れていく。
何度も言うが、例としてフィリピンや欧米をあげたが、これはひとつの国や特定の地域の問題ではなく、もう世界中の人々の問題だ。
それぞれが、それぞれの立場で、自らができることをやっていかなければならない。
「ひとのせい」にしてる場合じゃない。
発祥とされている中国しかり、感染数世界一のアメリカしかり、オリンピックを控える日本しかり、だ。
あ。さっき、フィリピン人気質が国の政策にも表れてるって書いたけど、もちろん日本もそう。他者の顔色を伺い、優柔不断、な国民気質に則った政策だ。そしてその結果であり現状だ。
それが良かったのか悪かったのかはよくわからないけど、、😶
そして、水際対策といえば、緊急事態宣言下の日本でも、現在、外国人の入国の条件は厳しく規制されている。
しかし、第三派と言われる現在の前までは、しばらくの間、ビジネスにおける外国人の往来は許可されていた。
その件についてのあれこれはまた今度あらためて、、、