スラムの片隅から世界を、、【YUMEKAKE/JOHN's diary】

国際協力活動のなかでのマジメな話からゆる~い話まで/海外から日本から

「これは混迷が続く中東の縮図なのか、それとも事故だったのか」 ~かつて中東のパリと呼ばれたレバノンで起きた大爆発について、今思うこと。あくまでも今、現時点で、、 (#イスラムシーア派ヒズボラ #レバノンのモザイク国家 #フィリピン現地出稼ぎからの報告 #レバノン旅の思い出)

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My partner is still there. I can't make a contact with him now yet.

「彼がまだそこにいるの。でも、まだ連絡がとれないの。」

そう彼女は言った、、、



日本でも朝からニュース等でやっているので、知っている方も多くいると思う。

昨日、中東、レバノンの首都ベイルート、港湾地区で大爆発が起こった。

政府からの発表によれば、大量の化学物質(爆薬の燃料となる硝酸アンモニウム)を保管していた倉庫が爆発したのだという。

未だ現地からの情報が錯そうしており、はっきりしたことは言えない。

倉庫が爆発したことによるものだとしても、それが事故なのか故意なのか。

いずれにせよ、大変な事態には間違いなく、負傷者の一刻も早い救出を願う。

報道では、死傷者はすでに5000人を越えているが、瓦礫に埋もれている人々がまだ多数いると思われるため、今後もっと増えていくだろう。

。。。


冒頭の言葉は、自分のフィリピンの友人によるもの。

そう、中東諸国には、たくさんの出稼ぎ労働者が働きに行っており、フィリピンも例外ではない(というか代表的な出稼ぎ労働者供給国だ)。
今回の新型コロナウィルスによる現地(出稼ぎ先)の経済状況の悪化で、多くのフィリピン人労働者が職を失い、母国へ帰国しているが、もちろん現地に残っている人も大勢いる。

彼女の彼氏も、ベイルートに出稼ぎに行っている。

そのような両国の関係もあり、日本とフィリピンでは、この事件に対する人々の温度差がぜんぜん違う。また、フィリピン人のレバノンに対する親近感は、この国が、中東にありながら、キリスト教の国内における勢力が強めだということもあるのかもしれない。

日本では、ニュースの片隅でちょろっと触れるくらい(まだ詳細がわからないこともあるのだろうが)の「外国で起きたニュース速報」な扱いだし、おそらく人々の反応も「すげー爆発!」という感じかもしれないが、
フィリピンでは、もっと身近で切実な出来事で、例えばSNS等で既に多くの人がシェアをし、祈りを捧げている。

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数年前に、中東を旅した。

バックパックを担いでの個人旅行だったので、例えば国境越えでいざこざがあったりもしたのだが、そういう旅の顛末はさておき、

その際に、レバノンにも行った。(写真はその際のもの)

長年の内戦から経済復興を遂げつつあったレバノンは、少なくとも表面的には、人々の生活も落ち着き、

ベイルートは、中東の金融・ビジネスの拠点として、かつて「中東のパリ」と呼ばれていたその姿を取り戻していっているように見えた。

再開発された旧市街では、オシャレなアパレルやブラント店、カフェが立ち並び、地中海沿岸の風光明媚なこの国は、ヨーロッパとアラブが混在しつつ、どこか洗練された佇まいを見せていた。

だが、街の至る所で、古い家屋には、内戦による弾痕が残り、郊外では瓦礫化した家で生活を続ける人々もいた。

政情不安は未だ続き、また、隣のイスラエルとは、今でも変わらず緊張状態が続き、度々、衝突も起きている。

レバノンにはその小さな国土に、様々な地理的・歴史的要因から、いくつもの宗教(政府公認だけでも18の宗教または宗派)が混在する。15年も続いた内戦も、やはりその宗教対立が大きな要因だ。
そして現在、混迷する政情のひとつの鍵となっているのが、イスラムシーア派組織ヒズボラである。


ヒズボラシーア派大国イランと結びついており、イランと敵対関係にあるイスラエル(そしてアメリカ)は、警戒を強めている。

また、余談だが、レバノン日産自動車前会長のカルロス・ゴーン氏が逃亡した国だ。彼は、レバノンで幼少期を過ごし、現在も国籍を持っている(ブラジルとフランスとの多重国籍)。ちなみにゴーン氏はキリスト教(マロン派)だ。また、今回の爆発では、そのゴーン氏の自宅も被害を受けたとの情報もある。

それから、近年では、内戦が続く隣国シリアからの難民の大量流入が国家財政を圧迫し、それが大きな要因となり(コロナの影響も?)、今年3月、レバノン史上初めての債務不履行(デフォルト)に陥ったりもした。

そのように、宗教的・地理的にもいくつもの側面を持つ国であるレバノンは、歴史の荒波の中に翻弄され続け、国際関係にも緊張が続き、政情も不安定な状態が続いている。

特に、先ほど触れたように、国境を接する(しかも宗教的に相容れない)イスラエルとの関係は不穏な状況である。

今回の爆発は、その影響なのかどうかはまだわからないが、イスラエル政府はもちろん否定している。(そして被災の救済を申し出ている。)

ちなみに、これも今でもそうなのだが、多くのアラブ諸国からのイスラエルへの入国には制限がある。例えば、パスポートにシリアの入国スタンプが押されていると、イスラエルから入国拒否される。(まあ、パスポートへの細工等、対処法はあるけど。)

なので、自分もこの時はイスラエルには行っていない。有名な死海にも行ったが、ヨルダン側からだった。

あ。また話を戻して(^^;)、そんなふうに、ずっと複雑な緊張状態が続く中東情勢だが、初めに触れたように、今回の爆発が、事故なのか、はたまたテロなのか、それはまだわからない。

イスラエルは否定しているのに、トランプ(米大統領)さんが、「何らかの攻撃と思われる」なんて言ってるように、いちばんの同盟国からして現状では情報が統一されていない。(まあ、攻撃するのはイスラエルだけじゃないけど。)

今後、少しずつ、事実が判明してくるのだろう。



爆発は現地時間の4日の午後6時(日本時間の5日0時)頃。

すぐに辺りは暗くなってしまい、被災者の救出作業は難航している。

今も多くの方が瓦礫に埋もれているかもしれない。

一刻も早い負傷者の救出と無事を願うとともに、

そして、

お亡くなりになられた方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます、、、


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JOHNです。
よろしくお願いします。 海外のことや日本のこと、世界の現実、経済や政治、ポエムまで、いろいろ書いてます😅
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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。)
あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。

このブログでは、国際協力活動を通しての視点で、海外また国内の、様々な問題や出来事、スラムや難民キャンプの人々の生活、NGOの活動の様子等を、時に真面目に、深く、時にゆるく、書いていきたいと思います。 そして少しでも、皆さまに、世界の様々な現実を知ってもらえるきっかけを届けたいと思っています。

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