スラムの片隅から世界を、、【YUMEKAKE/JOHN's diary】

国際協力活動のなかでのマジメな話からゆる~い話まで/海外から日本から

「児童労働とはいったい何なのだろう」 ~ロックダウンのフィリピンで突き付けられた現実、、

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「児童労働」というと、何かものすごく酷いこととか、かわいそうなこと、っていう感じがする。

感じがする、じゃなくて、実際、あってはならないものだ。

ただ、NGOで支援しているフィリピンにいると、その線引きの曖昧さに戸惑うことがある。

NGOでは、主に、スラムの貧困への支援をしているため、自分のふだんの生活圏も貧困地域である。

そこでは当たり前のように子どもが働いている。

小学生とかが、露店の店番をしたり、チャリンコタクシーをしてたり。

学校は?というと、残念ながら就学率はあまり高くない。

義務教育は?というと、日本でいう高校までは義務教育っていうことになっているのだが、日本のように強制感はない。

家が貧しいので、家の生活のために働く子どもがたくさんいる。

例えば、ゴミ山でゴミを拾って、それを売って生活している人がいる。

そこで生まれた子は、やはり、ゴミを拾って育つ。

小学生くらいならもう、大人にまじって一生懸命ゴミを拾っている。

そしてお金を稼ぐ。家族のために。

そういう現実を肯定するという意味ではなく、それがここでは「当たり前」だったりする。

ところで、家族でやってるお店の店番を一日してるとする。

それによっておこずかいはもらえたとしても、給料とかって感じじゃないので、それは児童労働ということにはならないのだろうか?

日本でも、自営業の店のお留守番やお手伝いだったら、「児童労働だ!虐待だ!」って騒がれないだろう。

ゴミ山でゴミをあさってるのは、もう、絵的にも、日本人がふつうに想像する児童労働だろう。

町で車に乗ってると、勝手に窓を拭いてお金をもらおうとする子ども、ちょっとした食べ物や水を売る子ども、ぜんぶ児童労働なのだろう。

そしたら、ストリートチルドレンの「お金ちょうだい」は?

そう考えると、本当に、当たり前のように、たくさんの子どもがこの国では働いている。

そして学校に行っていないのも、特に目立つわけじゃないので、むしろ「行きたい子には行かせてあげたい」というスタンスで、自分らも支援している。

学校がすべての価値観じゃないってことは、日本人でもわかるでしょ?

そういう状態の中で、例えば、汗だくになって一生懸命チャリンコタクシーを漕いでる中学生くらいの子とかを見て、

いつのまにか、

「おお、、家族のためにがんばってるなあ。えらいなあ。」

って思っちゃってる自分に、「あれ?なんかおかしいぞ?」って思ったりすることがある。

本来は、そういう子どもが、働かなくても生活していける社会を作っていかなきゃなんだよね。

それはわかってるんだけど。

というか、そういう貧困からくる、日本人から見たら「かわいそうな」「酷い」状況を、なくすために自分らは活動してるんだよね。

で、そのためには教育って必要だと思うから、そういう支援もして、、ってなってるんだけど。

ところで、写真は山のスラムでのひとコマ。

家族で作った炭を、子どもらが袋に詰めてる。

このあと、お兄ちゃんが町までそれを売りに行く。

町で炭を売るお兄ちゃんの姿を見たら、きっと、「児童労働」って思うんだろうけど、

こうやって家の前で、兄弟で家業を手伝ってんのは、、、なんだろう?

児童労働?それとも家のお手伝い?

でもこれが家のお手伝いなら、ゴミ山だって家業のお手伝いって言ってもおかしくない。

ただこれを、子どもたちが空いた時間に手伝ってるとかじゃなくて、生活のために、専業としてやってるのなら、やっぱ児童労働かな?

なんて、特に複雑に考えなきゃいけないキーワードでもないのに、

生きていくことそのものにまつわる価値観が、あまりに違う環境にずっといると、自分の価値観もわやくちゃになっていくのがわかる。

ましてや、初めからそういう環境で育った子たちは、そういう疑問さえ抱かないで働いてるのかもしれない。

でも、やっぱり、なんとかしなきゃ、な現実だよね。

それに、残念ながら、この子たち、

楽しそうなんかじゃない、、、

きっともっと違う人生の選択肢があったら、今の生活も、その未来も変わっていくと思う。

貧困が子どもの未来を奪ってしまう、、、

そんな現実はやっぱりなんとかしたい。

そう思う。

もちろん、家族のためにがんばる、っていうのは素晴らしいこと。

むしろそれは、日本や他の先進国の、当たり前のように学校へ行って、勉強して、友だちと遊んで、家に帰れば充分なご飯があって、やりたいことのために自分次第で努力ができる、そんな環境にある子どもたちにも、見習ってもらいたいくらい。

少なくとも知ってもらいたい。

自分の周りの「当たり前」が、実はただの狭い世界のことで、決してすべての「当たり前」じゃないこと。

そして、

未来の夢のために、「がんばれる」環境があること、それがいかに幸せかということ。

世界には、夢を見たくても、がんばりたくても、それさえも許されない生活を強いられている子どもがたくさんいる。

と、いうことを、、、


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JOHNです。よろしくお願いします。
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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。)
あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。

このブログでは、国際協力活動を通しての視点で、海外また国内の、様々な問題や出来事、スラムや難民キャンプの人々の生活、NGOの活動の様子等を、時に真面目に、深く、時にゆるく、書いていきたいと思います。 そして少しでも、皆さまに、世界の様々な現実を知ってもらえるきっかけを届けたいと思っています。

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