YUMEKAKE/JOHN's diary

国際協力活動のなかでのマジメな話からゆる~い話まで/海外から日本から

「暗闇からの叫びが聞こえていますか?」 ~社会から切り捨てられていく者たち。ロックダウン延長が決まったフィリピン・セブ島より、、

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昨日書いたように、深夜、フィリピン政府からの、今後のロックダウン(都市封鎖)についての発表があった。


結果は悪い方向へ、戻って行くものだった。

マニラ、ダバオ、セブ(セブ・シティ)といったような大都市は、昨日までGCQ(下記参照)だったのだが、
昨夜のアナウンスで、マニラ、ダバオはそのままGCQ、セブはECQ(同)に逆戻りだ。
また、セブの隣のタリサイ市もMECQになり、規制が厳しくなった。

その、現在いちばん制限が厳しいセブ・シティに、自分らのNGOの現地事務所があり、主な支援地域となっている。
ロックダウンにより経済活動が停止し、貧困層の生活するスラムは、既に飢えに苦しんでいる状態なのだが、こうしてまた希望への芽を断たれ、人々は途方に暮れている。
しょうじき、もう、餓死者や自殺者が増えても仕方ない、そんな状況だ。

(新型コロナウィルスによるスラムの飢餓への支援として、NGOでは現在クラウドファンディングを行っています。もしよろしければ、下記URLからご覧頂き、ご協力お願いします。)
https://readyfor.jp/projects/yumekake2020

昨日も紹介したが、フィリピンの出口戦略は以下のようになっている。

ECQ(Enhanced Community Quarantine:強化されたコミュニティ隔離措置)→
MECQ(Modified Enhanced Community Quarantine:修正を加えた、強化されたコミュニティ隔離措置)→
GCQ(General Community Quarantine:一般的なコミュニティ隔離措置)→
MGCQ(Modified General Community Quarantine:修正を加えた、一般的なコミュニティ隔離措置)

というふうに、日本でいえば、東京都の緊急事態宣言→ステップ1→3という感じなのだが、

その制限度合いはぜんぜん違う。

例えば、日本の緊急事態宣言は、結局のところ、外出自粛要請、休業要請、なのだが、
フィリピンのECQは、そのすべてが「強制的な制限」もしくは「禁止」、そして「移動制限」だ。
場所によっては、隣のsitio(日本で言う「丁目」)にも許可がないと行けない。
GCQにおいても、「20歳以下と60歳以上は外出禁止」、それ以外の人も、「パスを持ってる人が指定された曜日に、家族でひとりだけ買い物等に行ける」「夜間外出禁止」とか、そんな感じだ。(自治体において年齢制限とか多少の対応の差はあるみたい。)

とはいえ、ECQからGCQへと移行してきて、だんだん制限の緩和や経済活動再開に向けて、人々の心には安心感が漂い始めていた。
そこへおいての、今回のハードなロックダウンの再開で、人々は悲嘆に暮れている。

日本で今、ステップ3からいきなりまた緊急事態宣言・休業要請に戻ったら、国民はどう思い、どう対応するだろうか。
それを想像してみてほしい。
いろいろ対策を講じてやっと再開したお店が、いきなりまたクローズになるのだ。
日本だったらまた補償がどうとかって騒ぎになるだろう。
ましてやフィリピンでは、今度新たな補償が行われる可能性は低いと言わざるを得ない。
(というかもともと、補償といっても、お米や缶詰の配給がメインで、現金給付については自治体の腐敗もあり、まともに行われていない。)
なぜならもうすでに国の財政が限界に達しているからだ。
だから、まだ感染も収まっていないのに、経済活動再開のために、ロックダウンの規制を緩め始めた。
その結果がこれだ。

フィリピンは世界の中でも早い段階でロックダウンを施行した。

日本人から見たら、衛生状態も悪く、医療体制も整っていない発展途上国では、ウィルスの感染も酷いだろうと考えるのだろが、

実はそうでもなかった。

少なくとも5月後半くらいまでは。

アジアに関していえば、日本の方が成績は悪かった。

日本が評価されているのは、感染対策そのものではなく、経済活動へのダメージが少なかったということと、「何もしてないのに」という点だ。
そして、何もしないのに、この程度の被害で済んでるから。
(他の「何もしない」ブラジルやスウェーデンと比べてみたら奇跡的な状態だ。)

そして、フィリピンは、誰もが思うであろう悪条件(事実、医療崩壊は早々と起きた)にもかかわらず、その厳しいロックダウンのおかげで、ものすごい感染爆発は回避できていた。
人口は日本とほぼ同じで、島国という環境も一緒なのだが、感染者数は日本より少なかった。

しかし、3月中旬からのロックダウンがずっと続き、人々は疲れ、緩んできたのかもしれない。

セブではそれまではほとんど感染が抑えられていたのだが、5月中頃からクラスターが所々で発生するようになった。

それは、当初から恐れられていたスラムや刑務所でのクラスターだった。

ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅政策によって、ちゃんとした手続きもなく手当たり次第に収容された受刑者で刑務所がありえないくらいの過密状態だったし(射殺も可という命令が出ていたこともあり、殺されるよりはまし、と自ら出頭した麻薬関係者も多くいた)、

スラムでは、貧困層がひしめきあって小さな家で暮らしている。

STAY HOMEとかいったって、既に家の中に、多人数の家族が、ソーシャルディスタンスなんてとれるわけもなく、狭い空間で暮らしている。
お金がないから、もともと、体調が悪くても病院に行かない(行けない)し、また、高額なコロナの検査もできない。
ロックダウンで仕事がなくなり、食料も尽き、もちろん免疫力も落ちてる。

そんな状況で、クラスターが発生したら、ひとたまりもない。

このような状態で、スラムでのクラスターが拡がりだしていた中、6月になると共に、政府がロックダウンの制限を緩めGCQへと移行した。

感染状況が落ちついたからではなく、限界を迎えた国の財政や、人々の経済活動のために、キリのいい感じで、フィリピンは全土が規制緩和へと動き出した。

セブではむしろ「これから」酷くなるという状況であったのにも関わらず、だ。

そして、GCQ移行により移動制限も緩くなり、お店や会社も再開し始めたフィリピンでは、案の定、感染者が以前にも増してどんどん増え出した。
また、人々も規制緩和の流れに浮かれ、油断もあっただろう。

いわゆるこれは第2派なのだろう。

残念ながらフィリピン(特にセブ)においては、規制緩和のタイミングと、第2派感染拡大が重なってしまったようだ。

移動制限緩和による都市間移動で、例えば、感染者数の多いマニラからセブへ、ということもあっただろうし、今現在も、例えばマニラやセブから他の都市や、田舎へ感染を拡げてしまっていると思う。 
都会で仕事がなくなり、田舎へ帰る人が増えた。政府もそれを奨励し、補助金まで出してる。下手したら、今度は、田舎でクラスターが頻発する恐れがある。いや、既にもうそれは起きているだろう。
しかし、田舎では、ちゃんと検査も行われないだろうし、医療設備もない。病院にも行かずに、そのまま家で亡くなってしまうことも多いだろう。そしたらコロナの感染者の数値には上らない。
その規模が大きくなり、異常に気付き、検査を始めた時はもう遅い。

それと同じことが起きたのが、スラムでの感染拡大だ。

気付いた時にはもう手遅れなのだ。

写真を見てもわかるだろう。

ここでクラスターが発生したら、どんな酷いことになるか想像してみてほしい。

もちろんそれはフィリピン政府もわかっていた。

それが大きな要因のひとつでもあり、早期ロックダウンをしたのだろう。

確かにその効果はあった。

しかし残念ながら、人々はもう限界だった。

ロックダウンに疲れ、これ以上の制限に耐え切れず、だんだんと、外出禁止も守られていなかったり、友だちと遊びにいったり、近所で井戸端会議してたり、感染への恐怖はあったが、気が付いてみるとその行動は緩んでいた。

自分にはそのように見えたし、また、実際、住民の中には、その状況を恐れ、心配して、自分のとこに、恐怖や怒りの感情を訴えてくる者もいた。

だが、それは日本も同じような感じだった。

それならもう、自分で自分を守るしかない。

自粛要請に自分を律してた人たちはそう思っただろう。

そう自分も思っていたし、フィリピンの皆もそう考えるしかなかっただろう。

しかし、現実はそんなに甘くなかった。

日本が運が良かっただけなのだが、もしかしたら逆に、フィリピンは運が悪かったのかもしれない。

ついこないだまでは、日本より少なかった感染者数も、今では比べ物にならないくらい増加している。

規制が緩くなったこともあり、ロックダウンでずっと日本へ帰国できなかった人が、帰国する例が増え、そして、日本の空港での検査にひっかかり、感染が判明する例が毎日のようにある。

もちろんフィリピン人観光客ではなく(さすがに観光ビザは今は無理)、日本国籍の日本人の帰国や、その家族のフィリピン人とかだろう。

やっと帰れるようになったから、一刻も早く帰国したい気持ちはわかるが、ほとんど毎日のように感染者が発見されるというのは、あまりに旅行者本人の自覚が薄い気がするし、

同時に、今のフィリピンの現状の危険さを物語っているだろう。

再度のロックダウンにより、感染状況が改善していくかどうかはわからない。

そしてこのような状況でも、フィリピンのカリスマ的存在であるドゥテルテ大統領の支持率は落ちていない。

今回のその判断が正しいかどうかは自分にはもうわからないが、国民が彼を信じているのなら、またがんばって耐えるしかないだろう。

しかし、スラムの人々の生活は、より一層苦しいものになる。

申し訳ないが、政府は社会的弱者を切り捨てることになっても仕方がない、と考えてるような気がする。

それとも、この危機的状況の中、そんなことにまで頭が回っていないかだ。

そう思わざるを得ない。

とにもかくにも、自分がNGOで支援している地域は、今回のロックダウン強化によって、もろに大きな影響を受ける。

今でも食糧配給や炊き出し等の支援活動をしているが、より一層のケアが緊急に必要になる。

このあいだ少し触れた、今回規制が厳しくなったタリサイのスラムに住み、セブの市街地のホテルで働いていた女性。
経済活動再開に向けての準備の仕事が始まり、職場に復帰できたのだが、
またいつロックダウンが厳しくなり移動制限が施行されるかわからないから、職場近くのアパートで従業員は共同生活し、家には週末しか帰れない、、、

なんていう話をしたんだけど、

その危惧通りの展開になってしまい、今朝、彼女からメールが来た。

「家に帰れなくなっちゃったわ」
「またECQに戻った」
「とても哀しい、、、」

と。

ほんの数日前、笑顔で明るくビデオチャットしたばかりなのに(職場のパソコンで(^^;))、
ECQによりまた会社は閉まるし、おまけに家へも帰れない彼女は、
今、また様々な不安と恐怖に襲われてる。彼女の稼ぎで生活してる家族を心配してる。

でも、今、

その家族と会うこともできない。

感染と飢えに怯える家族と励まし合うことも、抱きしめあうこともできない。

そんな人がきっとたくさんいる。

いや、もっと酷い状況の人もたくさんいる。

政府のお偉いさんたちには、その辛い光景が見えているのだろか?

暗闇からの叫びが聞こえているのだろうか?

力のない社会的弱者は、政府の勝手な取り決めのひとつひとつに、その人生を、その生活を、その命を、翻弄される。

どこの国も同じだけど、

政府は、そういうひとりひとりの哀しみや辛さに、もっと寄り添ってあげてほしい。

国の未来も大切だけど、だからといって、いずれにせよ、明確な答えなんかないわけで、

なら、もっと草の根のレベルからのスタートだってしてもいいと思う。

未来への光を目指すために、暗闇から目を背けるのは、間違ってると思う。

それがたとえきれいごとだとしても、

自分は、そんなきれいごとをずっと言い続けていく。

そうしなきゃ、本当に大切なものは、何も変わらない。

大きな何かを変える力なんか、そりゃあないけど、

でも、小さな一歩くらいは踏み出せる。

そんなふうに、自分はこれからも、社会に見捨てられた、暗闇の中で、それでもキラキラしてる、そんな命を、笑顔を、せいいっぱいの思いで守っていきたい。

あらためて今、そう思ってる、、、


昨夜、深夜の発表から、対応に追われ、このブログもなんだか、情報記事のようになってしまい、なんだかうるおいのない文章になってしまい、ごめんなさい。
ご興味のない方には、読み辛かったと思うのですが、ここまで付き合って頂いて、本当にありがとうございました。


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JOHNです。よろしくお願いします。
海外のことや日本のこと、世界の現実、経済や政治、ポエムまで、いろいろ書いてます😅
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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。
(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。)
あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。
世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。

このブログでは、国際協力活動を通しての視点で、海外また国内の、様々な問題や出来事、スラムや難民キャンプの人々の生活、NGOの活動の様子等を、時に真面目に、深く、時にゆるく、書いていきたいと思います。
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