2020-05-13 「コロナウィルスに侵された今の時代へ、スラムの片隅からのメッセージ」 ~ロックダウンに苦しむフィリピン・セブのスラムより、、 新型コロナウィルス 海外ボランティア・国内ボランティア・復興支援 世界では今/国際情報 国際協力NGO フィリピン SDGs セブ 国内外の社会問題 貧困・スラム Tweet 新型コロナウィルス・COVID-19が蔓延し、大変な生活の中、みんな、無事に過ごしてますか?ふだんの生活に充分に気を付けて、くれぐれもご自愛下さい。NGOで支援をしているフィリピンは、今、ずっとロックダウン状態で、外出禁止・移動制限等の措置が続いています。日本のように自粛要請ではなく、禁止命令です。制限を破ったら罰則があります(下手したら撃たれます)。ちろん多くの人が職を失ったり、休職になったりしています。そして、自分がふだん現地で生活しているスラムの人たちは、ほとんどの家庭がその日暮らし、トライシカット、いわゆるチャリンコタクシーや、露店等で日銭を稼いでいます。しかし外出禁止の今、それもできず、ウィルスへの恐怖と同時に、これからの生活に大きな不安を抱えています。「お金もお米ももうないよ」「私たちはこれからどうしたらいいの?」「もうみんな限界よ」「感染して死ぬか飢え死にするかどちらかだわ」と、自分のところにも、多くのメッセージが来ます。政府から、お米や缶詰等の支給はありました。しかし、それだけで生きていかなければならない家庭(おまけにスラムの家庭は基本、大家族です)と、貰えれば生活の助けになるという家庭(食費も助かるし、外出制限の中、買い物が減らせるし)とでは、もちろんぜんぜん状況が違います。日本の10万円給付と一緒です。「どうしようかな?とりあえず貯金かな」という人もいれば「これでなんとかもう少し生き延びられる」という人だっているでしょう。自分は、ふだん、フィリピンでの生活圏や付き合いが、「今既に飢えている」状態の人の中のため、やっぱり、そういう貧困層からの目線で、今回の危機を見てしまいます。もう今日明日の不安でいっぱいな貧困層は、とにかく目の前の危機にパニックモードになっています。小さな騒ぎや、不平不満や疑心暗鬼も溢れています。食糧の配布に行列を作る時など、ソーシャルディスタンスどころじゃありません。ウィルスへの恐怖もあり、STAY HOMEもわかってはいます。でも、この切羽詰まった状況の中、「家にいるのはわかったけど、で、どうするの?そのまま死ねばいいの?」そんな状態な家族もあります。ある程度、生活に余裕がある層の人たちは、同じく政府に従いながら、もっと社会的な考えをして、ロックダウンを前向きにとらえようとしています。それは感染抑止のために今、必要なことだから、みんな我慢しなければならないと。同時に、この後にやってくる世界、いわゆるニューノーマルを考えなければならないと。おそらく、いや、もちろん、この危機を乗り越えるためには、その方がいいと思います。 しかし、「今日食べるものがない」「明日死んじゃうかも」、そんな人たちの叫びを無視することもできません。今後、餓死や自殺が世界で問題になるかもしれません。普段なら、自分もけっこう厳しく突き放すこともあります。貧困で生活が苦しいのに、せっかく稼いだお金はすぐ使っちゃって、ちょっとまとまったお金が入るとみんなで海とかに遊びにいったり、わけわからん個人的な理由で仕事休んだり、豚の丸焼き買って誕生パーティーしてたくせに今月の電気代が払えないとか言ってたり、「何かあった時のために少しずつでも貯金とかしたら?」「もっとお金の使い方考えたら?」「てゆーか、もっと真剣に働いたら?」って言う事もあります。あまり直接は言えないのですが、貧しいのにどんどん子どもが増える状況に、その家族計画(?)に口出ししたくもなります。でも、今はそんなこと言ってる状況じゃないのです。今ある目の前の危機を乗り越えていかなきゃならない。現時点で、お金も食べ物もなくて死んじゃいそうな家族に、「だからそう言ったじゃん?」って今、言っても始まりません。個人が悪いのか社会が悪いのかわかりませんが、現実は現実です。自分は、現地を支援する国際協力NGOの代表として、いったい今、何ができるのか、現地の声を聞きながら、状況を判断しながら、試行錯誤しています。同時に、自分のあまりの無力さにうちひしがれています。 そして、日本も同じです。いろんな立場から人々は意見や不平を言います。もちろん自分も同じです。自分は、生活のためとNGOの資金のために、普段は日本で仕事しているのですが、自分も今回のコロナウィルスにより、大きな経済的損害を被りました。とはいえ、とりあえず、すぐに死んじゃうわけではないので、ちょっとの節約をまた意識するくらいで、さっきの言い方をすれば、どちらかといえば社会的な観点から、今回の問題に対処してると思います。(まあ、愚痴や文句は言いますが!)といっても、NGOで貧困層、、、何か起きると(いや、起きなくても)すぐに命そのものがヤバくなってしまう場所からの視点で物事をとらえてしまうので、その社会的な見方、良い言い方をすれば「みんなで協力してがんばろう」が、何か安全地帯からの、上目線のアプローチな気がしてしまっているのも事実です。それは、、、「協力して我慢しよう」は、もちろん間違っている、とは思いませんが、「もうこれ以上こんなんが続いたら飢え死にしちゃうんだけど」な目線から、物事をとらえることも必要だし、社会は、そして人々の意識は、そんな暗闇の中でもがいている人々をも、切ってしまってはいけないと思うのです。それに、コロナウィルスへの感染がもう他人事でないように、飢え死にだって、まったくの他人事ではないはずです。「自分はとりあえず大丈夫」だから言える大人な意見と、「それどころじゃない」から言ってしまう個人のわがまま(?)と、そのどちらにも理解ができたら、寄りそうことができたら、と思っています。フィリピンで各家庭に配布される食糧に対し、多くは「ありがとう。とても助かるわ」と言っています。でもやはり、「だけどこれだけじゃあ、、」な人たちもいるでしょう。日本での政府からの保障や補償も同じです。冷静に問題を論じられる人もいれば、とにかくすぐに金くれ、な状況の人もいます。そのどちらも自分には否定できません。できれば、個人の都合の主張ばかりをせずに、支援には素直に感謝し、あるものだけで慎ましくありたい、と思います。下からの目線でも、少しでも視野を広げて、社会を見られたらいいと思います。 でも、でも、今、おそらくどちらも間違ってはいないのです。「戦う相手は政府や制度ではなくウィルスだ」「今はみんなで我慢して耐えよう」「STAY HOME」それはもちろん正しいです。ただ、その言葉も影響も結果も重みも、人それぞれ、違うのです。例えば日本でもそうです。自粛要請とかソーシャルディスタンスとか、いくら政府がアナウンスをしても、「ずっと家に居よう」と思う人もいれば、「どっか田舎の観光地ならいいんじゃん?」と考える人もいます。「東京に居たら息が詰まっちゃうし、ちょっと出かけてバーベキューでもして楽しもう。」「仕方ない。隣の県までパチンコやり行くか。」個人的には、なんだかなあ、、、と思いますが、今の日本の政府の中途半端なアナウンスや、どこか危機感のない社会の意識や状況では、そういうのだってべつに全否定するつもりはないです。ただ、日本の人たちがTVとかで「家でやることないから出かけてきた」なんて言ってるのを見ると、本当に残念な気持ちになります。感染への恐怖に侵されていく海外との直接のやりとりの中で、荒廃していく社会と人の心を感じ、そして、facebookとかに「本当に怖いのは病気じゃなくて人の心」と、自分が投稿したのは3月の初めです。その頃、日本では、「休校で卒業式がちゃんとできなくてかわいそう」とか「子どもは休みだけど親は仕事だから困る」なんて、平和なことを言ってました。それが今では、「今、学校が始まっても不安だから、延期になってよかった」「テレワーク」「ステイホーム」です。人の価値観なんてそんなものです。今、世間で騒いでることも、数週間後には、変わってるかもしれません。その時の状況で、簡単に人の言う事なんて変わるのです。でも、やっぱり、そんななかでも、できるかぎり自分を見失わずにいられたら、と思います。恐怖と不安に支配され、弱くなった人の心に、ウィルスはつけこみます。疑心暗鬼になったり、鬱になったり、犯罪や自殺が増えるかもしれません。そんな社会は哀しいですよね。だからせめて、周りを思いやる気持ちをもちたいのです。わけのわからない情報に流されずに、希望も、また、ネガティブなことも、すべての現実を受け入れ、その上で、自分自身のために、そして、家族、周りの人、日本、それは世界につながっていく、すべての命のために、今、自分が持つべき意識、すべき行動を考えたいです。もしできることなら、コロナの次に来る世界での生き方をも見据えながら、、、 なんか、、めんどくさい、、、ですか。。。先のことなんてわからないってさっき言ったばっかりですしね、、じゃあ、とりあえず、今、できることを考えましょう。この、コロナウィルスが、人の体にも心にも蔓延している中、今、自分にできることは、意識しなければならないことは、いったいなんなのか、、、ぜったいに、自分に関係ないことなんかじゃありません。どうしたらいいかわからなくても、せめて考えて下さい。そして、やっぱり、あらためてわかってほしいです。たとえ自分が今、健康だとしても、「自分は体力や免疫力があるから大丈夫」だとしても少なくとも、自分さえよければそれでいい、ということではないのです。今、もう一度、自覚して下さい。「あなたが今、感染源なのかもしれない」ということを。今、症状が出ていないだけで、感染もしていないとは言えません。自分の無自覚で軽率な行為が、誰かの命を奪ってしまうかもしれないのです。それを意識して行動して下さい。自分には関係のない人や、その人の大切な人の命なんかどうでもいいですか?そんなことないですよね、、、今、世界には、様々な状況に置かれ、本当に厳しい中でなんとか耐えている人がたくさんいます。貧困もそうですが、世界には、紛争とコロナが重なり、より混沌としている地域もあります。医療従事者やライフライン、販売や流通などのフロントライナーの方々も、その本人じゃなければわからない苦労や恐怖があると思います。自分自身、それを常に意識していられたら、と思います。 自分は今は大丈夫なようです。シャレにならない損害も出ましたが、こうして元気に生きてます。そして、仕事も家で出来ます。インターネットもTVもあります。節約のため、シャワーや洗濯も減らして、毎日納豆ばかり食べてるけど、本当に幸運だと思っています。よく、TVとかで、コメンテーターが、今の時代、家でインターネットもあるし、とかってサラっと言ってますが、ネット環境だってタダじゃないのです。自分だって節約のために、ポケットWi-Fiでスマホも仕事で使うPCも何もかもまかない、ネットが死ぬほど遅くてイライラしたりしてます。フィリピンの自分の仲の良い人たちの生活レベルでは、家にルーターがあるとかあり得ません。スマホにロード(日本で言うギガみたいなもの)をプリベイトで買ってインターネットをつなぐのですが、それさえも買えないので、ネットもYoutubeも見れません。自分が今、現地のこの現状を、NGOのYoutubeチャンネルで伝えようとしたり、また、スラムの生活を紹介、とかしてるのですが、その本人たちは、それが見られなかったりします。そうです。自分の周りの当たり前は、すべての人たちにとっての当たり前ではないのです。いつもそれを、忘れないようにしたいです。 で、結局、自分が何を言いたいのかよくわからないのですが、今、世の中の価値観が、大きく変わっていこうとしているような気がします。このCOVID-19ナインティーンによって。その中で、なんとか生き延びていくと同時に、もっといろんな現実を受け入れて、もっと視野を広げて、もっと考えて、悩んで、変わってゆくものと、変わらないものの中で、この困難で残酷な時代の嵐に、抗いながらも、受け入れてかなきゃ、と思います。ごめんなさい。きれいごとばかり言ってしまいました。でも、特に何のプライドも明確な生きがいもない自分を支えてくれるのは、こんなきれいごとだったりもするのです。。。みんな、生き延びて下さい。お願いします。。。そして、わかって下さい。「自分のことでせいいっぱい」、、それは、「自分さえよければそれでいい」ということと、同じ意味ではありません。ひとりひとりの意識の中で、みんなと繋がって、助け合って、思いやって、わかりあって、受け入れて、わかちあって、今は、がまんして、みんなで、この危機を乗り越えましょう。またみんなで、気軽に集まって、くだらない話で笑いあえる、そんな日のために、、、 yumekake.hateblo.jp** ** ** ** JOHNです。よろしくお願いします。 海外のことや日本のこと、世界の現実、経済や政治、ポエムまで、いろいろ書いてます😅 もしよろしかったら、読者登録、スター、 シェアお願いします🙂 自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。) あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。 このブログでは、国際協力活動を通しての視点で、海外また国内の、様々な問題や出来事、スラムや難民キャンプの人々の生活、NGOの活動の様子等を、時に真面目に、深く、時にゆるく、書いていきたいと思います。 そして少しでも、皆さまに、世界の様々な現実を知ってもらえるきっかけを届けたいと思っています。 今後ともよろしくお願い致します。 ※NGOの活動にご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。 【 国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」】 ” ただ与えるのではなく、共にわかちあう支援を ” hopehalohalooasis.wixsite.com yumekake.hateblo.jp