【アフガニスタン動乱。アメリカ軍撤退とタリバンの政権掌握。そして欧米の報道だけを信じるな】 ~物事には裏と表があり、何が正しくて何が間違ってるかなんて、誰にも言えない、、 (#アフガニスタン紛争の歴史 #ソ連のアフガン侵攻 #ビンラディンとアルカイダとタリバン #アメリカ同時多発テロ世界貿易センター爆破 #アメリカと有志連合のアフガン空爆 #自分本位で無責任なアメリカ #タリバンの意味)
これもまた、ただのひとつの見方に過ぎない。
アフガニスタンのとある貧乏な農村に住み、食べることがせいいっぱいな人たちは言う。
「結局、タリバンの頃がいちばん良かった。少なくとも平和だった。」
1979年ソ連(当時)のアフガニスタンへの軍事介入、そして撤退後、政権を握ったタリバン。
当時、ソ連軍が去った後、アフガニスタンは無政府状態となり、様々な軍閥が各地にワっと押し寄せ、民衆に対し乱暴狼藉、婦女暴行、略奪行為等を散々行った。その惨状と混乱を収めたのがタリバンだった。
そしてほんの束の間の、そして危うい、それでも平和が訪れた。
その後、反米主義によりサウジアラビアを追われ、アフガニスタンを経て、スーダンに渡ったアルカイダのビンラディンが、2011.9.11例のアメリカの同時多発テロ(世界貿易センター爆破等)を行った。そして、アメリカやサウジからの圧力を受け、ビンラディンはスーダンからも追放され、アフガニスタンに戻る。
政権を握っていたタリバンは、ビンラディンをかくまう。そしてアメリカからの引き渡し命令も拒否する。
そもそもアフガンの人たちはアメリカ帝国主義が大嫌い。
また、旧知のビンラディンが客人として助けを求めてきたら、なんとか力になろうとする。それがアフガニスタン人だ。ましてやアメリカに引き渡すなんて考えられない。
そして、アメリカと有志連合によるアフガン空爆が始まる。ほどなくしてタリバン政権は崩壊した。
その間の約20年、タリバン政権の下、わけのわからん(イスラム原理主義者以外には?)圧政も行われたが、少なくとも秩序は保たれ、いわゆる平和だった。
農村の人々は、中央の政治のことはよくわからない。
ただ、平和でちゃんと食べていければそれでいい。
地方の人々(庶民や貧困層、農村)は、ソ連撤退後のアフガニスタンを制圧し、その後、そんな束の間の平和な時を提供してくれたタリバンに悪い印象は持っていない。
少なくともソ連のアフガン侵攻やアメリカの空爆下よりぜんぜんマシ。
というか、欧米(もちろん日本も)にとってはテロ組織かもしれないが、タリバンは一時はいわゆる政権与党のようなものであり、軍事政権かもしれないが、アフガンの政治を担っていた。
イスラム原理主義にもとずいた数々の愚行はあった。(外から見ると、だが)
そしてもちろんテロは良くない。それに協力することも。
いかなる理由や宗教的な意味(ジハード)があるにせよ、結局はただの無差別殺人だ。それは間違った行為だ。
また、今回の政権奪取方法についても、これだけの混乱を招いてる。何か他の方法だってあったんじゃないか、と思う。
アメリカ撤退後、とりあえず残った民主政治の下で選挙をして、合法的に勝利するという方法ではいけなかったのだろうか?
ただ、
今回のタリバンのアフガン制圧に際し、アメリカの傀儡(かいらい)政権でしかなかった前政権の大統領は、あっというまに、ヘリに財産を積んでアフガンから逃げ出した。国民のことをあっさりと見捨てて保身に走った。
タリバン後のアフガン政権を支えた(勝手に意のままにしようとした)アメリカ。その大統領バイデンは言った。「アフガニスタン軍自体が戦う気がない戦闘において、アメリカ兵が戦死することがあってはならない」と、この混乱の中、駐留軍の撤退を肯定した。
そんな、状況の変化があるとあっさりと国民を見捨てて、自己保身に走るだけの政権に国民が愛着を抱いていたわけがない。
べつにアフガン国民は、アメリカの属国になりたかったわけじゃないのだ。
一般市民的には、アメリカが勝手に空爆してきて(テロへの報復という理由はあったにしろ)、勝手に政権を操って、勝手に自分に都合のいい民主化なんていう言葉を使ったて、アフガンをアマリカ都合で意のままにしようとして、内戦が起きて、平和を破壊してきただけだ。
アルカイダのテロ行為は間違ってる。それは確かだ。でも、間違ってるのは行為であり、そこに至るまでの要因を作ったのは、アメリカを始めとする欧米諸国の自分勝手な大国のエゴによるイスラム弾圧行為だ。
発端は9.11アメリカ同時多発テロではない。あれはひとつの結果であり、それまで続いてきた弾圧の歴史と対立にこそ大きな意味がある。
アメリカ軍のアフガン駐留や空爆も同じだ。そのきっかけは9.11あり、その報復、という名目はあったにしろ、だからといって、自己都合の大量殺りく行為を肯定なんかできない。
それぞれの立場や歴史や背景や解釈がある。何が正しくて何か間違ってるかなんて、誰のもほんとはわからない。
そして、、
テロだの報復だの、そんなん庶民には関係ない。多国籍軍による空爆?。それこそテロじゃん。テロへの報復テロだ。それがアメリカのやり方だ。
てゆーかそもそもアフガン国民はアメリカの政権関与を歓迎してない。
みんな、ただ平和が欲しかった。家族が安心して一緒にいられて、食べていける環境が欲しかっただけだ。
なのに、テロへの報復でタリバン潰しのために、アメリカがやってきて、混乱が収まるどころか、各地での衝突やテロ、紛争、空爆は激化し、、、20年ものあいだ、内戦状態が続いている。同様にアメリカの自己都合の介入で泥沼の内戦状態に陥ったベトナム以上の長期間に渡る紛争だ。
迷惑なのは一般市民だ。
で、結局、ベトナム同様、どうにもならず、アメリカ軍は撤退。アフガン人的にも米兵的にもわけのわからない無駄な20年だ。
アメリカ(や欧米)に関わり協力した人々には、それは経済的な意味でも恩恵は受けてきただろう。しかし、地方の農村には関係ない。相変わらずの、いや、傀儡政権とタリバンの衝突により、混乱の続くアフガンがそこにあっただけだ。
というか、タリバンは、今回の騒動が起きる前(アメリカ傀儡政権下)だって、もともとアフガンの40%を掌握していた。
近年は、住民へのコロナ対策や啓蒙も、それこそ政府よりしっかりと行っており、庶民は政府よりタリバンを信頼していた。
また、ぜんぶ肯定はできないが、タリバンは、農民に大麻を栽培させ、麻薬の密輸を資金源にしている。それは海外からみればただの組織犯罪だが、大麻を栽培しなければ生活できない農民からすれば、貧困を放置する政府より「仕事をくれる」タリバンの方が頼りになる。
それに今の世の中、欧米での大麻合法化が進み、大麻栽培が犯罪ではなく、輸出産業になるかもしれないし。
今回、タリバンが、こんなにも早く、スムーズに、あっさりとアフガン全土を掌握し、政権を握った背景には、そんな国民の意識もあったのかもしれない。
アフガニスタンはアフガニスタン人によってやっていくという、誇り高きアフガン人の民族の意志(潜在意識?)であったのかもしれない。
所説はあるが、歴史上、列強からアジアで本土が侵略されてないのは、日本とタイとアフガニスタンだけだ。
そういえばタイも外国人に対するプライドが高い(例えば、なんだか他の東南アジア諸国とは違い、日本人のことはどこか下に見てる気がする😅)し、日本はいつの世もガラパゴス状態。
そんなアフガニスタンも、その立地条件から国際情勢に振り回されてきたものの、それでも自国を完全に明け渡しはしない、誇りを失わない、という面があるのではないだろうか。もちろんこの混乱を歓迎しているわけではないし、国際支援を求めていないわけでもない。だが、アメリカが出てくことや前政権が無くなることについては、多くの国民が実は望んでいたことだ。
さっき書いたような、アメリカにすり寄って得をしてきた輩を除いては。
そして、この混乱に、世界も注目し、日本でも、ニュースで繰り返し流される、空港から脱出する人々。
慌てて逃げだしたのは、主に、アメリカや多国籍軍に協力したりビジネスをしてきた都市部の人(と、その周りのパニックになった人たち)たちだ。彼らは、タリバンと敵対するアメリカ傀儡政権に協力してきたため、タリバンに殺されると思ってる。
また、アメリカ国務省が「アメリカに協力してきたアフガニスタン人は、出国すれば、アメリカが受けいれる」と表明したことも、この出国パニックの大きな原因だろう。
今後、またちょっかい出そうとしてる中国の出方は気になるが、できればまた平和な日々を取り戻してほしい。
紛争や空爆や銃声のない毎日を。
ただそれだけのことでも、アフガンの人々はずっと願ってきた。
そして、今後、統治をするタリバン。
「20年前とは違う」
と、本人たちも言っている。
それが表面的なものだけでなく実行してほしい。
人々の行動を弾圧する宗教的制限はやっぱり見直してほしい。
物事には裏と表がある。
内戦が続き荒廃したこの国が、今、国際的支援を止められたり、経済制裁をくらったりしたら、大変なことになるので、表では良さげなことを言っといて、結局裏では(実際は)以前と何も変わらないんないか、っていう危惧を、諸外国も国民も抱いてる。
また、逆に、こんな裏と表もある。
偏った表面的な報道からじゃ見えてこないこと。
前回のタリバン政権の際、女性は学校に行けない、という決まりになっていたが、実は多くの隠れ学校(助産師の技能訓練校とか)はあった。もちろんタリバン的(イスラム原理主義的)には表面的にはNOだが、社会的に必要不可欠なものは黙認していた。
それもまた裏と表であり、タリバンのひとつの側面だ。
タリバンはただの横暴なテロ集団ではなく、民衆の生活に寄り添い、戒律と現実のはざまで試行錯誤しながら、秩序と平和を維持しようとしていた。
タリバンという組織を捉える際、西側の怨念のこもった偏った報道だけでなく、そういう事実もちゃんと認識しておかなければならない。
まあ、今、裏でも表でもどっちでもいいけど、
確実に言えることは、
この20年で、様々な意識が変わった。
必要不可欠な権利や自由への認識も概念も。
だから、タリバンも変わってほしい。
過去に行った様々な愚行。
あへて愚行と言おう。
女性や子どもの自由や人権の迫害
同じく教育や就労の機会のはく奪
処罰の残酷さ
バーミャン仏教遺産の破壊
etc...
もうそんなマネは繰り返さないでほしい。
もちろんいかなる粛清もテロも戦争もだ。そんなんただの殺人だ。(いちおう言っとくと、立場を変えて、ビンラディンの殺害だってそうだけどね!)
守らなきゃいけない大切な決まりがあるのはわかる。
それも生きていくために必要なのだろう。
でも、人々のために、何が幸せなのか、まずはそれを考えてほしい。
ただただ盲目的に戒律を守るだけでなく(本人がやりたくてやるなら勝手にやればいいのだが)、人々の人権や自由に幅をもたせて、いろんな考えを受け入れ、認めてほしい。
だって、そもそも選挙でマニュフェストで「うちはイスラム原理主義の戒律強制!」って掲げて選べらたんじゃなくて、むりやり国を掌握して、政権を奪取したんだから、手続き的に、自分らの考えだけを押し付けるのって横暴じゃん?
そういう意味で、今後の国の方向性を、様々な意見を取り入れて舵をとっていくために、内政的にも国際的にもそれなりの民主化も必要だよね。
自分らの考えを押し付けるだけじゃなくて、みんなで協力して試行錯誤して、良い国作りをしていこうよ。
それを期待してる。
ところで、
ちなみに「タリバン」の意味は。
「戒律」でも「風習」や「伝統」でも、「仲間」とか「息子」とか「宗教」とか、「聖戦(ジハード)」とか「反米」とか、ましてや「テロ」でも「破壊」でもない。
本来の意味は「学生」。
戦乱のアフガンから隣国パキスタンに逃れた者たちが、現地のイスラム神学校で学び、その学生たちがタリバンの起源だから。
このイスラム神学校で学んだ若者たちが、イスラム原理主義の過激派を構成するようになり、そして、本来は「学生」という意味だったはずのタリバンは、いつのまにか過激なテロを繰り返すイスラム原理主義者を表す言葉となってしまった。
でも、今、その意味を改めて思い出してほしい。
「学生」として学んでほしい。
今のこの「時代」を。人々の思いを。
。。。
なんて、ダラダラと書いちゃったけど、実はもっといくらでも語りたいんだけど、というか、もっと他の見方ももちろんあるんだけど、
とりあえず(とりあえず日本の)報道が、「テロ集団の悪者タリバンがアフガニスタンを制圧して危険」みたいなのばっかなので、あへて異なった捉え方をしてみた。
現地の田舎の農民の言葉を借りて。
少なくとも、欧米・西側の偏った報道にだけ踊らさるな、という思いを込めて、、、
。。。
ちなみに写真は、アフガンから脱出する飛行機の様子。
一枚目は、よくニュースで使われてる米空軍機とはまた違う飛行機。
現地の人が撮って、SNSに上げたやつ。
なんて言ったらいいのかわからない、、
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【信念のない行き当たり行き当たりばったりの政府の方針に振り回される国民はほんと大変なんだが(フィリピン・セブ)】 ~オリンピックの時はあんなに大騒ぎしてたのに、フジロックはシレっと有観客で開催する日本人のメンタリティーもよくわからんが、、 (#フジロック来場者に抗原検査キット送付 #フィリピンラプラプ市 #ワクチン接種率とワクチンパスポート #フィリピン9月に学校再開?)
フィリピン・セブ島にラプラプ市という場所がある。
セブといえばビーチリゾートというわけで、そういうリゾートがあるマクタン島にある自治体。国際空港がある場所だ。
もともと海辺の田舎をリゾートに開発しただけなので、おっきなホテルが立ち並ぶ海沿いからちょい離れれば、めっちゃ庶民的な場所だ。
あ。ラプラプというのは、フィリピンの英雄の名前。
で、コロナの感染状況が悪化する中、そのラプラプ市の市長が、こないだ「ワクチン接種証明書がないとスーパーにもコンビニにも市場にも入れないようにする」なんてことを言いだした。いわゆるワクチンパスポートだ。
ヨーロッパではもう既に導入されてる。ワクチンパスポートや陰性証明がないとカフェにも入れないとか。(もちろん反対のデモとか起きてる。)
こないだオリンピックの閉会式で、次の開催地のパリからの中継があって、マスクもしないでめっちゃ密でみんな騒いでたけど、あの式典会場に入るのももちろんワクチンパスポートが必要だった。
でも、ワクチンパスポートとかって、欧米とかワクチン接種率が60パーセントとかになる国だからまだシャレになってる(?)だけで、接種率が5パーセントとかのフィリピンで、そんなこと言い出したら、あまりにわけわかんなくね?😳
接種率30パーセント台の日本でも、ワクチンパスポートの話は、さすがにまだ具体的に実施されてないし、
とゆーか、ワクチンそのものの有効性(感染はするけど重症化は防止するらしいけど)の問題もある、、が、
だからといって、「これってどうなんだろ?」って話もある。
あ。日本の話。
来週、フジロック(大規模音楽フェス)が開催される。
しょうじき、自分もこないだ友人のSNSを読んで知ったんだけどね。
そう、そんな程度の話題性、というか、一般の人(興味のない人)はほとんど知らないだろう。
オリンピックの時はあんな大騒ぎだったのにね!🙄
で、オリンピックは無観客でしょ?でも、フジロックはシレっと観客入れて(もちろん制限はあるし感染対策もするけど)開催するんだね。
日本人って変な人たちだね。
べつに生配信でもよくね?😕
でもって、チケット持ってる人には、抗原検査キットが送られてきたそうだ。これでひっかかったらチケット払い戻しするってさ。でもさあ、PCR検査でさえ不確かで問題になってるのに、抗原検査って、、、😞
今の日本の状況で、そんなにフェスやりたいなら、フェス後の2週間とかそのまま会場で隔離生活してくんないかな。もちろん主催者がぜんぶ準備して、費用も負担して。そのぶんチケットの値段も高くして。
じゃない?😶
ところで、ラプラプ市の話に戻すと、、
市長がワクチンパスポートのことを言ったものの、やっぱ反対が多くて(そりゃそーだ。接種率5パーセントだよ???)、とりあえず実施は8/25からってことにした。
んだけど、それも今、確かじゃないらしい。
昨日、ラプラプ在住の知人とチャットしてたら、ようするに「棚上げ」状態ってことだ。
彼女が言うには、
「当たり前でしょ?そんなことできるわけないじゃん。人道に反してるってば。ばっかじゃないの?」
なわけだ😅
まあ、その「人道に反した」ことは、今後、世界のスタンダードになってくんだろうけど。
というか、たとえ人道に反してたとしても、今のこの状況では仕方ないのかもだし。
とはいえ、なんてっても、さっき書いたみたくフィリピンはワクチン接種がぜんぜん進んでない。
この状況でのワクチンパスポート導入は無理があるだろう。
ラプラプ市長も、ほんとに言いたかったことは「いーからみんな早くワクチン打ってくれ」っていう苛立ち故の脅しなんだろう。
ワクチン接種が進まないのは、ワクチン供給の不足と同時に、多くの人がワクチンに不信感を持ってること。
中国製がメインってこともあるだろうし。
そして、なぜかフィリピンでは、ワクチンが原因で亡くなった人が、それぞれみんなの身近にたくさんいる(と、みんな言ってる)。その真偽は自分にはわからない。ただフェイクニュースはいっぱい。
結果、みんな怖がって、ワクチンを積極的に打とうとしない。ワクチン接種希望者は人口の3割程度だ。といっても政府はほとんど強制で打たせようとしてるけど、、
(同時に、こないだ、またハードロックダウンになったマニラで、「新型コロナワクチン接種を受けていない住民には、政府からの支援金が給付されない」ていうデマ情報が流布されて、深夜にワクチン接種センターに千人以上の行列ができパニックになった、、なんていうこともある。それはそれでどうかと思うが、、、😓)
てゆーか、そのやるんだかやんないんだかはっきりしないワクチンパスポートによる制限、、んと、、、25日ってもうすぐなんだけど、「棚上げ」状態で大丈夫なんだろーか。
いきなりほんとに実施されたら大変じゃないの?
まあ日本も同じようなものだけど、政府が何をしたいんだか、実際いつ何が行われるんだか、方針も実施もぜんぜんはっきりしない。信念のない政治に被害を被るのは国民だ。(まあ、やるべきことをやらない国民も問題あるのだが)
不安と恐怖とフェイクのまん延する中、行き当たりばったりの行政に振り回される庶民は、ほんとに大変だ。
ところで写真は、NGOの支援地域にある公立学校。
先日、行政によって、大規模な消毒作業が行われた。
そう、昨年3月からずっと中止されたた学校での対面授業が、いよいよ9月から再開される予定がある、と、こないだ(といってももうひと月くらい前か)政府が発表(提案?)したから、その準備で、、、
なのかな?
ほんとかな?
決定なのかな?それともとりあえず準備だけはしとくってこと?
なんかそれもはっきりしない。
そんなこんなで振り回される子どもたちも、
ほんと大変だ😓
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【こんな時代でも夢を見ることはできる。未来はその手で変えられる(Ⅱ)】 ~ロックダウン下のフィリピンのスラム。彼女はあらためて自分の将来を見つめ直してみた~ (#スラムの少女が見る夢 #世界最長のロックダウン #ステイホームで改めて人生を見つめ直すということ #フィリピンセブ #国際協力NGO #SDGs)
【上記(Ⅰ)の続き】
。。。
「親に恩返しをするためにがんばって学校を卒業して、仕事に就いて、家族の生活を助けたい。」
貧民街、、、スラムで育った彼女は言う。
高校を卒業し、昨年度から経理の専門学校に入ったのだが、世の中はコロナ渦。
フィリピンでは、昨年3月からずっと、世界最長のロックダウンが続いている。
学校での授業はない(プリントやオンライン等の家庭学習)。
そんなわけで、昨年、カレッジ(専門学校)に入学した彼女も、まだ学校の授業は一度も受けていない。
また、今のコロナの感染状況だと、今年度もこのまま学校での対面授業は禁止のままかもしれない。(いちおう政府から、9月から学校での授業もOKに、なんていう話もこないだ出てはいたが、、、)
そんな状況の中、彼女もいろいろ考えたのだろう。
もしかしたらふつうに学校に通えていたら、こんなふうにあたらめて自分を見つめなすこともなかったのかもしれない。
自分の将来について。
「何か違う」
彼女は、家で勉強をしながら、自らが選んだコースに疑問を抱いた。
そして、こないだチャットしてた時、
彼女が相談してきた。
「ねえ、学校の専攻を変えようと思うんだ。」
自分が答える。
「うん。もし大丈夫なら、それもいいと思うよ。」
彼女が言う。
「あのね、今は経理の勉強をしてるんだけど、何か私に合わないような気がするの。」
「うん」
「それでね、学校の先生になろうと思うんだ。」
「うんうん。合ってると思うよ。」
「障害児のクラスの先生になりたい。」
。。。
彼女の父親は家でアクセサリー作成の下請けしている。土産物屋で売ってるやつだが、内職の単価はあり得ないほど安い。
母親は洗濯婦をしている。毎日、通いで手洗いでその家の洗濯をする。
そんなふうに彼女を育てた。
娘が3人いる。長女はもう働いている。次女は結婚して子どももいる。残念ながらその旦那は無職だ。彼女は3女。
スラムでの生活は厳しい。
母親がNGOのスラムの子どもの施設(保育園)をボランティアで手伝ってくれていたので、彼女もいつも施設に来ていて、まだ幼いころから知ってる。施設の子どもの世話や仕事とかもよく手伝ってくれた。
自分はずっと彼女のいいお兄ちゃんだった。
だから、、
彼女には、その夢を叶えてほしいし、幸せになってほしい。
かといって、この生活、スラムでの苦しい環境から、貧困から抜け出せるかどうか、といったらそれはわからない。
いや、おそらく、もし彼女が学校の先生になったとしても、劇的にその生活が変わることはないだろう。
家族も養っていかなきゃだし、それほど給料の貰える仕事でもないし。
きっとこのスラムで、いつか結婚して、そして他の皆と同じように、たくさんの子どもを産み育てるんだと思う。
。。。
彼女との会話が続く。
「どうしてそう思ったん?」
「うん、、、今ね、ロックダウンで学校がずっとないでしょ?
子どもたちもみんなモジュール(学校から渡される宿題プリントが授業の代わり)を家でしてるんだけど、でも、ぜんぜん勉強がわからない子がたくさんいるの。
それでね、時間があるときに、近所の子どもたちに、勉強を教えてあげてるんだ。」
「へえ~、、えらいね😊」
「ありがとう😊
それで、、中には本当に勉強がわからない子もいて、、、たぶん知的障害を持ってるんだと思う。
ただ、みんな貧乏でしょ?
病院に行けるわけでもないし、そういう子がここで生きてくのはとても大変なの。
でもね、その子も一生懸命がんばってる。
できれば、私は、そういうハンデを持った子どもたちの世話をしたいんだ、、、」
「うん、、、わかった、、、
応援するよ😊」
ほんとに応援する。
きっとその夢を叶えてほしい。
。。。
そして、思う。
なんとなくだけど。
彼女が学校を卒業して、何らかの仕事に就けるとして。
もしもそうなったとしても、
彼女の家族がこのスラムの厳しい環境から抜け出せるかどうかはわからない。
いや、
なんか、思うんだ。
それでも、彼女はここで暮らし続けると思う。
自分の意志で。
だってここは、このスラムは、
どうしようもなく生きてくのが大変な環境だけど、
でも、彼女の故郷であり、生まれ育った場所なんだから。
ここで、たくさんの人と出会い、たくさんの思い出を作ってきた。
だからきっと、
彼女は、ここから出ていくことはないような気がする。
そして、
貧困に苦しみながら、ここでずっと生き抜いて、過酷な現実を目の当たりにしてきた彼女は、
このスラムで困難な生活を送る人々のために、子どもたちのために、何か自分ができたらいいな、って思ってくれたんだと思う。
彼女がまだ小学校低学年の頃から、自分らとずっと一緒にいて、NGOの支援活動を身近に見てきて、時には参加してくれて、いつのまにか彼女ももうすぐ20歳になる。
自分の勝手な思い込みだけど、、、
彼女が、自分らの活動とずっと身近に接してきたことが、少しでも彼女の今のそんな考えに影響を与えてたとしたら、なんか嬉しいなって思う。
なにはともあれ、
がんばってほしい。
夢をきっと叶えてほしい。
心からそう思う、、、
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【学校では教われないことがある】 ~文明が発達して世の中が便利になると共に、人の心は貧しくなっていくものなのか、、 (#新型コロナウィルスによる世界最長のロックダウンが続くフィリピンの学校の現状 #フィリピンの夏休みは4月と5月 #北半球と南半球の四季 #モジュールクラスとオンラインクラス #貧富の差による教育格差)
「学校では教われないことがある」
それがこの写真に付いたキャプションだ。
というか言い換えてもいいなら、「学校の授業では」かな?
※※ ※※ ※※ ※※
世界最長のロックダウンが続くフィリピン。
学校の対面授業も、昨年の3月からずっと中止。
モジュール(現状は結局、宿題プリント)もしくはオンラインで授業が行われ、自分がNGOで支援している貧困層の子どもたちは、インターネット環境がないので、みんな家でプリントをやってる。
今はお休み。夏休み。
本来、フィリピンの学校の長期休暇は、4~5月なのだが、コロナにより授業(宿題だけど)開始が遅れたので、学期もずれ込んだ。
ようするにフィリピンの場合、今は、例年と「時期のズレた」夏休みというわけ。
ちなみに、その例年の夏休みの4~5月がフィリピンのいちばん暑い時期で、ようするに、だから「夏休み」だ。
概念上のことではなく、ちゃんとサマーホリデーって言われてる。
よく「日本の夏はオーストラリアの冬」みたいな言い方をするけど、そう言ってしまうと、まるで、オーストラリア(いわゆる南半球)の夏は寒いの?みたいな感じになっちゃうけど、そもそもオーストラリアの夏は12~2月だ。だからほんとは、言うなら「8月は日本では夏だけどオーストラリアでは冬」ってこと。
なわけで、フィリピンの夏は、この4~6月。といっても四季というものはなく、雨季と乾季っていう区分けはあるけど、とりあえず1年中熱いので、ようするこの時期が「特に暑い」というわけだ。(他も暑いけど!🤣)
話を戻して、そんないつもの夏休みが、今年はコロナの影響で時期がずれて、今が長期休暇(学年替わりのお休みなので、日本でいったら春休み?それがフィリピンでは通常では夏休み。ああ、こう書いてるとまたなんか紛らわしくなってくる😅)になってて、地域や学校によって差はあるけど、そろそろ授業が始まる。
授業といっても、とりあえずは引き続き、家庭学習(モジュール)。
ちょい前に「9月からは学校での授業を再開」っていう発表もあったけど、コロナ(デルタ株等の変異株)の感染拡大によって、また規制が厳しくなってる状態の今、それが実行されるかどうかわからない。
というか、9月から始まる公立学校の高校生に聞いたら、「まだモジュールみたいよ」って言ってる。
なにもかも行き当たりばったり感があるフィリピン(まあ、コロナ対策に関しての行き当たりばったり感はフィリピンだけじゃないけど)では、しょうじき、直前にならないとほんとにわからない。
ずっと続くこんな状態。
オンライン授業が受けられる富裕層と、宿題プリントを自力でやる貧困層の間の、教育格差は広がる一方だ。
そんな学力の問題もあるが、、、
学校生活で学ぶものは、言うまでもなく「教科のお勉強」だけではない。
友だちや先生との交流や学校行事、課外活動、様々な学校生活における場面から、人間性や社会性が育っていく。
まあ、逆効果になる場合もあるが😳
フィリピンは、大家族で、家族や地域の結びつきが強く、また、高齢者を敬う文化も根付いてる。その中からいろんなことを学ぶ。そして、特に貧困層は、その厳しい生活環境から、「ただ生きてるだけ」で、生きるために必要なことを、否応もなく学んでいくので、少なくとも日本とかよりは、いわゆる「学校の授業では教えてくれないこと」、、、そう、生きる力や人として大切なこと、を、ふだんの日常生活の中で学んでいく。(ただ、公衆道徳性にはちと欠ける😅)
が、そんなフィリピンでも、やはり文化は発展し、子どもたちの様子も変わっていっている。
スマホやゲームに依存しがちなのは日本と変わらない。
日本から見たら、未だ、「日本人が、世の中の便利さや文明の発達と引き換えに失ってしまいかけてる人としての大切な何か」が、ここにはまだある。
それはそう思うのだが、やはり、そういう先進国と同じ方向へと変わっていくのは止められない。
なんせアマゾンの部族がスマホを持つ時代だ。
世の中が便利になっていくとともに、悲しいけど、人の心は荒廃していく。
富を得るとともに、心は貧しくなっていく。
写真は、フィリピンのSNSにシェアされてたもの。
路上で物乞いをするおばあさんに、制服姿の女子学生が中指を立てている。
キャプションにはこうある。
「学校では教われないことがある」
学校では教えてくれないもの。
授業ではやらないけど、でも、学校生活の中で学んでいくものはたくさんある。
集団生活や校則によるストレスだって、人が成長していくために、必要な要素なのじゃないだろーか。
ネガティブなことからだって、何かしら得るものがある。
家庭生活とは違う刺激の中から学ぶことがある。
まあ、学校がないならべつにいいけど、あったらあったで学ぶことはあるし、学校がなくなったら、その代わりの何かがまた必要になるよね。
その役割を家庭や地域が担えるならいいけど、少なくとも日本はできてないし、フィリピンだって、ずっと今までのようにはいかないだろう。
事実、「昔はよかった」「文明の発達と人の心の豊かさは反比例」的な見方は、もうすでにこの国にもある。
少なくとも、学校で学ぶことだってあるにはあるだろう。
授業では教えてくれなくても。
そういう場として、学校の存在価値はやっぱりあるのだと思う。
人とのふれあいの中から学ぶもの。
ネット社会の今は必要ない?
学校に行くよりも、学べるものはたくさんある。
それもそうかもしれない。
けど、、、どうなんだろ?
まあ、学校教育の質もあるし、一概には言えないか。
とりあえず、、
家庭で、地域で、学校で、子どもの人間性を育てる環境を整えるのは、大人の役割だと思うし、
となると、ホームレスに中指立てるメンタリティーの元凶はうちら大人ってわけだ。
くだらねーことばっかやってないで、
がんばろーぜ、おとな😅
でもって、子どもたち、
学校の授業がずっとなくて、たくさんの友だちと会えなくて、家での宿題で、みんなストレスがたまってるし、学校再開を待ち望んでるし、んで、なんだかんだいっても今のところ学校生活ってやっぱ必要だと思うし、今までと違う形でもいいから、
早くこのパンデミックが収まって、学校の授業が始まるといいよね。
そりゃあ、学校では教えてくれないこともたくさん。
というか、こういう人としての道徳みたいなものとか、思いやりとか、学校というよりも、本来、家庭やコミュニティの中で学んでいくもののような気がする。けど、
でも、学校だから学べる大切なことだってきっとあるし、
なにはともあれ、また毎日友だちと一緒に学校で楽しく過ごしたいよね、、😇
🍀🍀 🍀🍀 🍀🍀
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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。) あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。
このブログでは、国際協力活動を通しての視点で、海外また国内の、様々な問題や出来事、スラムや難民キャンプの人々の生活、NGOの活動の様子等を、時に真面目に、深く、時にゆるく、書いていきたいと思います。 そして少しでも、皆さまに、世界の様々な現実を知ってもらえるきっかけを届けたいと思っています。
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【これが医療崩壊の現実です】 ~病院の外で酸素吸入を受ける多くの人々。新型コロナウィルス、世界の今、そこにある現実。ワクチンの是非や経済の問題もあるし、オリンピックもやってる。でも、路上飲みとかしてる場合なん? (#オリンピックは関係ない #フィリピンミンダナオカガヤンデオロ #ワクチン接種拒否は投獄か国外追放 #ワクチンを打っても感染はする #ワクチン接種で重症化は防げる? #3回目のワクチン接種)
新型コロナウィルスのパンデミックにより、世界最長のロックダウンが続くフィリピン。
この動画は、ハードロックダウン(ECQ)になっているカガヤン・デ・オロ(フィリピン・ミンダナオ島)というフィリピンの地方都市の、今現在、の様子です。
すでに医療崩壊が起き、病床は感染者であふれ、多くの患者が、、、重症者でさえ、病院の建物の外で酸素吸入や点滴を受けています。
これが、世界の現実です。
フィリピンでは、日本同様、なかなかワクチン接種が進みません。 供給不足もあるのですが、副反応への恐怖や陰謀論の危惧等で、ワクチン接種を拒む人が多くいます。 このような状況にフィリピン・ドゥテルテ大統領は、「ワクチンを打たないと投獄だ。国を出ていけ。」と発言したりしています。
また、一部地域では、すでにワクチンパスポートによる制限が発令されています。ワクチン証明書がないと、市場にもスーパーにもコンビニにも入れない、というものです。
現在、欧米諸国ではワクチン接種による重症化率の低下で、制限撤廃へと出口戦略が進んでいますが、そもそもワクチン接種率の低い日本やフィリピン(などの途上国)等では、そういう試行錯誤を始めることもできず、緊急事態宣言だのロックダウンだの、目先の対策を繰り返すだけです。
そのワクチンですが、海外との往来のために、否応もなく自分は打ちますが、現時点では人体実験レベルのワクチンであることも事実です。 また、デルタ株に対しては、感染抑止の意味はあまりないようです。重症化を防ぐ効果はそれなりにあるようですが。ただ、とにもかくにもワクチンを打ったからといって、感染はするのです。それを忘れてはなりません。
接種後の抗体減少のスピードが予想以上のため、欧米を中心に、三回目のワクチン接種に動いている(イスラエルでは始まってる)国もあります。そのような国もあれば、途上国ではワクチンの供給不足が問題になり、フィリピンのようにまだ接種率が一桁の国もあります。
明らかに不公平ですが、それもまた民主主義による競争社会なのでしょうか?
それもまた、今のこの、歪んだ世界の現実です。
そして、
なんというか、、 今、このように、世界でワクチンがクローズアップされていますが、実はそれよりも、人々の日常的な行動への意識の方が問題なのだと思います。
経済を回していくことは必要ですし、飲食や観光もなんとかしなきゃなりません。オリンピックもやってます。
でも、少なくとも「路上飲み」とかしてる場合じゃないことは確かです。
それは、各々の意識の問題です。
自分の、家族の、地域の、日本の、そして世界の安心を安全のために、ひとりひとりが考え、今自分にできることをしなければならないのです。
今、この危機に陥った世界を救うのは、WHOでもワクチンでもなく、私たちひとりひとりの意識と行動です。
いろいろありますが、なにはともあれ、フィリピンも日本も、また世界各地で、「またこれから」試練が始まります。
じゅうぶんに気を付けて日々をお過ごし下さい。
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【壊れてしまった彼女の心に寄り添うために】 ~これもまたコロナと貧困が作り出した悲しい現実なのか、、、 (#レイプと中絶とカトリック #精神障害には周りの支えが必要 #障害者を支援するのではなく世間から隠してしまう)
「ねえ、彼女のこと知ってるの?」
NGOの現地事務所のあるフィリピン・セブの友人からメールが来た。
友人(マリアン・仮)が言うには、その「彼女」(メアリー・同仮)は、高校の同級生で、今は、双極性障害に苦しんでおり、ずっと連絡もとれていないのだという。
どちらも、自分と何人かの共通のfacebook友達がいて、その繋がりから、facebookで知り合い、マリアンとはけっこう頻繁にチャットをしたりしてる。また、メアリーとは、前に、一度、短いチャットをした。
それだけの、まあいわゆるSNS上の知り合いなのだが、少しでもチャットをしたことがあることもあり、誕生日に、彼女のタイムラインにバースデイメッセージを書き込んだ。
それを見て、マリアンが自分に聞いてきた。「メアリーと友達?」って。
「前に少しチャットしただけだから、友達っていうほどでもないかな」「どうして?」
と返すと、マリアンから動画が送られてきた。
公共の市場で、両腕に刺青を入れた、半裸の女性が奇声をあげ、周囲の人や野良犬に絡んでる。そして、しばらくして周りの人に取り押さえられて暴れ、ついには気を失ってぐったりしている、、、
それがメアリーだという。
その動画は、担任の先生がたまたま市場で見かけたメアリーの様子を撮って、卒業後も残っていたクラスメイトのグループチャットにアップした。「このあいだこんなのを見たんだけど、誰か、メアリーが最近どうしてるか知ってるかい?」と心配して。
そして、これが彼女の簡単なストーリーだ。
。。。
高校3年生の時、マリアンとメアリーは、クラスの役員を一緒にしていて、とても仲良しだった。
動画にあるような奇声を発して暴れる彼女は、その時からは想像できず、高校の頃のメアリーは、とても大人しく、また、少しナイーブで考えすぎてしまう子であったものの、歌がとてもうまく、facebookにカラオケをアップしてたりもした。
動画では彼女の腕にあった雑な刺青も、もちろんなかった。
2020年の春、みんなで卒業した。
メアリーのfacebookにも、クラスメイトと一緒の彼女のたくさんの笑顔がアップされてる。
しかし、世の中はコロナ渦、フィリピンはロックダウンの真っ最中だった。
家が貧しいメアリーは、大学等の上の学校に進学はできなかった。また、ロックダウンの中、仕事を見つけるのも困難だった。
そんな中、そこにどういう経緯があったのかはわからないが、コロナ渦で殺伐とした世の中、荒んだ人の心がそうしたのだろうか、、、メアリーは路上でレイプされ、赤ちゃんを身ごもった。
しかし彼女はくじけなかった。
また、敬虔なカトリックである彼女や家族には、中絶という選択肢も考えられなかったのだろう。
まったく誰の子かわからないその子に希望をたくし、家族の支えもあって、無事、元気な男の子を出産した。
「私の夢と希望」
彼女のfacebookには、何枚もの幸せそうな、赤ちゃんとの写真があった。
本当に幸せそうな、彼女の笑顔が、、、。
しかし、それは、
数週後に、異なったキャプションと共に、思い出として、二人の写真がまたアップされていた。
「I miss you my baby, my happiness」
寂しいよ、私の赤ちゃん、私の幸せ、、、
そう、産まれて数週間後に子どもは天に召された。
たくさんの幸せな思い出と希望とともに、、、
貧困で生活は大変だけど、思うようにならない人生だけど、
産まれてきてくれたその子がいれば、そこに笑顔と幸せがあふれた。
でも、ほんの数週間で、すべてが壊れた。
そして、同時に、彼女自身の心も、
壊れた。
貧困、コロナ、ロックダウン、レイプ、出産、、、
赤ちゃんが亡くなったのは今年の2月。
市場での彼女の奇行の動画が送られてきたのも、そのすぐ後の2月だった。
。。。
壊れてしまった彼女と直接連絡をとってるクラスメイトはいないらしい。
マリアンは言う。
「メアリーのケアなんて誰もしてないわ。ただ家に閉じ込められてるだけ。」
彼女は家に閉じ込められて、ガリガリにやせ細り、時に狂気に陥り、家族に守られながら、いや、世間から隠されながら生きてるのだと。
障害を持った子どもを、何とか社会に適応させたり、治療しようと努力すのるではなく、世間から隠し、閉じ込めてしまうということは、ひと昔前の日本でもよくあったこと。
また、途上国の町に思ったより障害児が見当たらないのは、家族が家に閉じ込めてしまったり、障害のある赤ちゃんが産まれてくると、そういう施設の前に捨て置いてしまったりする。お金のない親が障害を持った子どもを育てる能力も知識も、病院に連れていくこともできないから。NGOで提携してる障害児施設でも、何人かは、門の前に置いて行かれた子どもだという。
話を戻そう。
家に閉じ込められて、壊れた心と辛い思い出と現実に苦しみながら日々を送るメアリー。
そんな彼女は自分の携帯は持っていないが、状態が落ち着いている時とか、時々、姉妹の携帯を借りて、ネットを見たりもするのだろう。
たぶん、そういう時に、自分とfacebookで友達になった。
それが今年の5月。
彼女から「Hi」とメッセージが来て、少しチャットして、「ねえ、今、退屈だから、写真送って」と言われて、自分の写真を送った。ふつうに仲良くなろうと思って、相手にも写真送ってと言うと、彼女も送ってくれた。
おそらく高校時代の、、、
笑顔の彼女だった。
その時だけ、ほんの少ししか話してないし、また、このあいだ投稿した誕生日のメッセージにも反応はない。
。。。
荒んだ世の中にその運命をもてあそばれたメアリー。
もちろん、同じような話は、フィリピンや途上国だけでなく、それこそ日本にだってあると思う。
それは、いずれの場所でも、場合でも、大きな社会問題だ。
そして、
彼女の心を壊してしまったのはいったい何なのだろう。
フィリピンの治安、宗教、新型コロナウィルス、ロックダウン、荒廃した世の中と人々の心、貧困、医療体制、、、
はっきりとした何かはわからないし、逆に、そのすべてが、要因なのだろう。
マリアンと話した。
「彼女に今必要なことは、家族や親しい友達の思いやりや、何気ないおしゃべりなんだと思うよ。」
マリアンは言う。
「私もそう思う。でも、メッセージを送っても、返事が来ないの。既読にはなってるのよ。」
「(障害で)きっともう私のこと忘れちゃったんだと思う。」
「でも、高校の時の私たち、とても仲良しだったの。それに、彼女はいつも笑顔で優しくて、きれいで、とても魅力的な子だったわ、、、」
うん、、、
今のこんな悲しく重い現実に、ちょっとチャットしただけの自分が、彼女のために、何かしてあげられるとか、そういうわけではないだろう。
わかってる。
でも、あの日少しだけ、確かに、「ふつう」に会話した。
あの日だけだけど。
何気ない会話の積み重ねが、彼女の心を癒して、何かが変わるかもしれない。
あの時は、彼女のそういう事情を知らなかったし、深夜(そういえば、確か深夜の2時とかだった。家族が寝てから携帯を勝手に使ったのかな?だからそれ以来また禁止されて、ログインしてないのかな、、、)だったから、こっちも眠くて、すぐに会話が終わっちゃったけど、もっといろいろ話せばよかったな、って、今、後悔してる。
そして、昨日、
それ以来途絶えた彼女とのメッセンジャー(チャット)に、メッセージを送ってみた。
「Hello😊」
と。
何事もなかったように、軽い感じで。
今日、まだ既読にはなってない。
でも、いつか、返事をくれるといいな。
嘘でも妄想でも思い出でも何でもいい。
楽しい話をしよう。
いくつかの話をしながら、もしも自分のことを信頼してくれたら、彼女のストーリーを話してくれたら、ちゃんとぜんぶ受け止めるよ。
そして、
いつか、、、マリアンと三人で、会えたらいいね、、、
。。。
彼女のfacebookのトップ画面は、今でも、笑顔で赤ちゃんを抱いた写真のまま。
でも、そこにはこう書いてある。
I miss you my angel
...